第43回 全国婦人のつどい
「新生活と貯蓄」
特別講演(要旨)「金融新時代を賢く生きる」
万全を期す預金保険制度
今わが国の金融はひとつの時代が終わり、新しい時代の幕開きを迎えています。本日は、その変化の方向やセーフティネットの重要性などについて、お話したいと思います。
まず皆さんの関心が高い預金保険制度についてですが、制度の導入は今から30年前の1971年です。その後次々と改正され、今では世界的にも例を見ない、よく整った制度になっています。
ご承知のとおり、来年3月末までの特例期間中は、預金は無条件に全額保護されています。また、その措置が終了する「ペイオフ解禁後」も、預金は一人1000万円の元本と、その利息が完全に保護され、しかも破綻後速やかに引き出すことが可能な仕組みになっています。
1000万円以上の部分についても、一部カットはあり得ますが、迅速に払い戻しされる見通しです。その他に国の郵便貯金も一人1000万円まで預入が可能です。このように、一般的な資産規模の家庭であれば、その預金は預金保険制度によって万全に保護されているのだということをまず理解していただきたいと思います。
しかも、この4月から施行される新しい預金保険制度では、破綻した金融機関の預金は、週末の2日間で速やかに別の金融機関に移転されることを目標にしています。これがうまくいくと、預入先の金融機関が破綻してもその名前や看板が替わるだけで、預金者はあたかも何も起きなかったかのごとく取引を継続することが可能です。