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貯蓄・生活シンポジウム 2000

金融新時代を暮らす~ペイオフと私たちの暮らし~

パネルディスカッション

(5) 情報開示の流れの中で消費者に求められるもの

田部 では、この金融新時代を暮らしていくために、私たちはどのようなことを心がけ、行動したらよいのでしょうか。

 ペイオフ解禁、そして金融の新潮流に共通するテーマは、これからは利用者が自ら選んでいく時代だということです。そこで非常に重要になってくるのは、金融商品はもちろん、金融機関経営についても情報開示がきちんとなされているかということです。

金融商品についてはわからないところがあれば、取引先や銀行に積極的に聞いていく。そういう姿勢が必要だと思います。金融機関経営の情報としては、財務諸表とかバランスシートとかいったものが重要になってくるでしょう。

これまでのそのような開示情報は、専門的な知識がないと読み込めないものが多いのが実情でしたが、預金者の方を向いたもっともっとわかりやすいものにすべきですし、消費者サイドからもそれを求めていく姿勢が必要です。

自己責任の時代では、金融機関自らが健全であることを証明する姿勢をとっているか、透明性を重視しているかといった経営の姿勢にも目を配っていくべきですし、金融機関にも情報開示の充実に向けて努力していただきたいと思っています。

高橋 二つ申し上げたいと思います。

一つは、自分自身の生活設計をしっかり持つということです。自分がどういう人生にしたいのか、どのように稼いでどのようにお金を使い、将来のためにどの程度残しておくのかという方針がないと、多種多様な金融商品やサービスの中から自分にあったものは選べません。現状を把握し、将来の目標のために今、何をすべきかがわかれば、金融商品も自ずと選別できます。

二つ目は、消費者にとって使いやすい商品やサービスが提供されるような流れを、われわれ自身がつくっていくことが必要なのではないかと思います。先ほど、個々人が金融機関の窓口でいろいろな質問をすることが大切と申し上げましたが、個々人の力だけでは限りがあります。例えばグループで研究してみるのもよいでしょう。

すでに起こりつつある流れとして、消費者グループが金融商品販売法で公表を義務づけられた金融機関等販売業者の勧誘ルールを評価していく動きがあります。業界団体が決めたガイドラインを遵守するぐらいのレベルではだめで、それよりも厳しいレベルを設定している業者を消費者グループが積極的に公表することで、よい意味での競争を金融機関に促していくということもできるかと思います。

いずれにしても、誰かがやるのを待つ、あるいは行政に任せっきりにしたり、事業者に要求するだけではなくて、消費者自身がやらねばならないことがたくさんあると感じています。

原田 私が一番申し上げたいことは、「ハイリスク商品はハイリターンであり、ローリスク商品はローリターンである」という基本原則が厳然として存在するということです。法律は着々と整備されてきましたが、危険がなくリターンだけが大きいというものは決して存在しないと認識して、ご自分の金融資産の運用を考えていく必要があるということです。

いずれにしても、金融ビッグバンは我われが予想したよりははるかに早いテンポで、IT革命と平行しながら進行しています。それを追いかけ、情報開示という問題もできるだけ勉強しながら、自分で自分の道を選んでいくということが必要です。単にお金の問題だけではなく、自分の人生の問題ととらえて、時代の変化にフレキシブルに、弾力的に適応していくことが重要だと思います。

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