家計の金融行動に関する世論調査
家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)
家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 平成22年調査結果
Ⅰ 家計の金融資産・借入金の状況
1. 金融資産の保有状況
-
金融資産の保有額は、金融資産を保有していない世帯を含む全体でみると、平均値は684万円、中央値(注)は、80万円となった。このうち金融資産を保有している世帯のみをみると、平均値は1,036万円、中央値は340万円となっている。
(注)「【BOX2】平均値と中央値」参照。
-
金融商品別に見ると、預貯金の構成比が5割弱、有価証券(債券、株式、投資信託)は合計で3割となった。
-
金融資産の有無については、「金融資産を保有していない」との回答が3割強となった。
-
なお、年間総収入別にみると、収入が低いほど金融資産非保有世帯比率が高い傾向がある。
-
現在の金融資産残高が、1年前と比べ「減った」と回答した世帯は4割弱、「増えた」と回答した世帯は約4割となった。
-
年令別にみると、「減った」とする回答は50歳代で約5割、60歳代で6割弱となっている一方、「増えた」とする回答は20歳代で約5割となっている。
-
金融資産残高が増加した世帯では、その理由について「定例的な収入が増加したから」との回答が約4割となっているほか、「定例的な収入から貯蓄する割合を引き上げたから」とする回答が4割弱となっている。
- 金融資産残高が減少した世帯では、その理由について「定例的な収入が減ったので金融資産を取り崩したから」との回答が5割強となっているほか、「株式、債券価格の低下により、これらの評価額が減少したから」との回答が約3割、「耐久消費財(自動車、家具、家電等)購入費用の支出があったから」とする回答が約2割、「旅行、レジャー費用の支出があったから」とする回答が2割弱となっている。
2. 金融資産の保有目的
-
金融資産の保有目的は、「病気や不時の災害への備え」がもっとも多く、約5割となっており、ついで「老後の生活資金」が5割弱、「とくに目的はないが、金融資産を保有していれば安心」が約4割となった。
- 遺産については、3割強の世帯で「財産を残すこどもがいないうえ、自分たちの人生を楽しみたいので、財産を使い切りたい」としているほか、「老後の世話をしてくれるか、家業を継ぐか等に関わらず、こどもに財産を残してやりたい」とする回答が2割弱となっている。
3. 金融資産目標残高
- 金融資産目標残高の平均値は2,086万円、中央値は1,000万円となった。
4. 金融資産の選択
-
金融商品の選択の際にもっとも重視していることは、「元本が保証されているから」が2割強、「利回りが良いから」が約2割、「少額でも預け入れや引き出しが自由にできるから」が2割弱となっている。
-
これを「安全性」、「流動性」、「収益性」の3基準(注)に分けてみると、「安全性」を重視する回答が3割強、「収益性」、「流動性」がともに3割弱となっている。
(注)ここでは、「安全性」、「流動性」、「収益性」に関わる項目をそれぞれ下記のように分類。
安全性:「元本が保証されているから」および「取扱金融機関が信用できて安心だから」
流動性:「少額でも預け入れや引き出しが自由にできるから」および「現金に換えやすいから」
収益性:「利回りが良いから」および「将来の値上がりが期待できるから」
-
今後の金融商品の保有希望では、預貯金・保険については、預貯金が約5割、有価証券については、株式が約2割、株式投資信託、公社債(国債など)が1割弱となっている。
- 元本割れを起こす可能性があるが、収益性の高いと見込まれる金融商品の保有については、「そうした商品を保有しようとは全く思わない」が約6割となっている。