家計の金融行動に関する世論調査
家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成19年~令和2年)
家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成20年調査結果
Ⅴ 金融機関の選択基準
- 取引金融機関の選択理由については、「近所に店舗やATMがあり便利だから」とする回答が約8割、「経営が健全で信用できるから」が約1/3、「店舗網が全国的に展開されているから」が約1/4となった。
【BOX3】平均値と中央値
■金融資産保有額の平均値が1,152万円と聞くと、「自分はそんなに多くの貯蓄をもっていない」と多くの世帯が実感とかけ離れた印象をもつ。平均値が、少数の高額資産保有世帯によって大きく引き上げられてしまっているためである。例えば、10世帯のうち9世帯が100万円を持っていて、残りの1世帯が1億円を持っている場合には、平均値は1,090万円になってしまう。当然、調査を受けた10世帯のうち9世帯は、調査結果が1,090万円と聞けば、その値に驚くだろう。今回調査では、保有世帯(金額無回答を除く)が2,782世帯、非保有世帯(保有額=0万円とみなす)が858世帯であったが、これらのうち約7割が平均値よりも保有額が少なくなっている。
■上記のような平均値の持つ欠点を補うために、ここでは平均値と並んで中央値を用いて一般的な家計像を捉えることとする。ここで言う中央値とは、調査対象世帯を保有額の少ない順(あるいは多い順)に並べたとき、中位(真ん中)に位置する世帯の金融資産保有額のことである。例えば自分の貯蓄額が中央値(今回は430万円)である世帯からみると、保有世帯のちょうど半分の世帯が自分の貯蓄額よりも多くの貯蓄を保有し、ちょうど半分の世帯が自分の貯蓄額よりも少ない貯蓄を保有していることになる。従って、中央値は世帯全体の実感により近い数字になると考えられる。
【BOX4】今回調査の標本属性
■今回調査における、調査対象世帯の家庭の状況は、以下のとおりとなった。
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家庭の構成については、世帯人数は平均で約3人、世帯主の平均年齢は約56歳となった。9割強の世帯で世帯主は男性であるほか、約9割の世帯で配偶者が存在した。また、世帯主が何らかの形で就業している割合は約7割で、配偶者が働いている割合は約5割となった。世帯主が長期不在の世帯はほとんど存在しなかった。
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世帯の就業状況については、「その他就業者あり」がもっとも多く約3割、ついで「世帯主と配偶者のみ就業」が3割弱となった。
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過去一年間の家庭の手取り収入(注)については、平均値が524万円、中央値が450万円で、収入はないとした世帯はほとんど存在しなかった。
(注)年間手取り収入とは、就業に伴う収入、年金、不動産賃貸収入、利息収入等の税引き後収入。土地・住宅、株式などの資産売却に伴う収入は除く。