家計の金融行動に関する世論調査
家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成19年~令和2年)
家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成20年調査結果
Ⅰ 金融資産の状況
1. 金融資産の保有状況
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金融資産の保有額は、「貯蓄を保有していない」との回答世帯を含む全体でみると、平均値は1,152万円、中央値(注)は、430万円となった。このうち金融資産を保有している世帯のみをみると、平均値は1,508万円、中央値は750万円となっている。平均値は、ここ数年でみると概ね横ばい圏内である一方、中央値はやや低めとなった。
(注)「【BOX3】平均値と中央値」参照。
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金融商品別にみると、預貯金(郵便貯金を含む)の構成比がもっとも高く5割強となった。また、有価証券(債券・株式・投資信託)は2割弱となり、前年に比べ低下した。
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貯蓄の有無については、「貯蓄を保有していない」との回答が2割強となり、ここ数年はほぼ横ばい圏内の動きとなっている。
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また、年間収入別にみると、年収が低いほど無貯蓄世帯比率が高い。
(注)本調査でいう「貯蓄(金融資産)」には、事業性の預貯金等および給与振込や振替等で一時的にしか口座にとどまらないような預貯金等は含まない。
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現在の貯蓄残高が、1年前と比べ「減った」と回答した世帯が約4割となった一方、貯蓄が「増えた」とする回答は2割強となった。
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また、これを年令別にみると、50-70歳代で「減った」とする回答が4割を超えている一方、30-40歳代では「増えた」とする回答が約3割となっている。
- 貯蓄残高が増加した世帯では、その理由について「定例的な収入から貯蓄する割合を引き上げたから」、「定例的な収入が増加したから」とする回答が3割を超えている。
- 貯蓄残高が減少した世帯では、その理由について「定例的な収入が減ったので貯蓄を取り崩したから」との回答が約5割となっているほか、「こどもの教育費用、結婚費用の支出があったから」、「耐久消費財(自動車、家具、家電等)購入費用の支出があったから」とする回答が約3割となっている。また、「株式、債券価格の低下により、これらの評価額が減少したから」は1割強と上昇した。
2. 貯蓄の保有目的
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貯蓄の保有目的では、「病気や不時の災害への備え」がもっとも多く、約7割となっており、ついで「老後の生活資金」が約6割となった。
- 遺産については、4割強の世帯で、「老後の世話をしてくれるか、家業を継ぐか等に関わらずこどもに財産を残してやりたい」としている。
3. 金融資産の選択
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金融商品の選択の際にもっとも重視していることは、「元本が保証されているから」が最も多く、ついで「少額でも預け入れや引出しが自由にできるから」、「取扱金融機関が信用できて安心だから」の順となっている。
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これを「安全性」、「流動性」、「収益性」の3基準に分けてみると、「安全性」を重視する回答が5割弱、「流動性」が約3割、「収益性」が2割弱となっている。
(注)ここでは、「安全性」、「流動性」、「収益性」に関わる項目をそれぞれ下記のように分類。
安全性:「元本が保証されているから」および「取扱金融機関が信用できて安心だから」
流動性:「少額でも預け入れや引き出しが自由にできるから」および「現金に換えやすいから」
収益性:「利回りが良いから」および「将来の値上がりが期待できるから」
- 今後の金融商品の保有希望では、預貯金・保険については、ほぼ横ばい圏内の動きとなった。一方、有価証券については、前年に比べ概ね横ばいないし小幅の下落となった。