先生のための金融教育セミナー
2020年度 先生のための金融教育セミナー(オンライン開催)
C 消費生活・金融トラブル防止に関する分野
小学校
「見えないお金について考えよう~インターネット社会に生きる子供たち~」
(6年 学級活動)
兵庫県神戸市立宮本小学校 森田 大志 教諭
本校では、児童のスマホや携帯の所持率が高学年で約75%と高く、全国の所持率を上回っています。習い事などの事情から、ICカードを利用している児童も多いです。毎日1時間以上、携帯電話やスマートフォンを使用している児童もいる一方で、ほとんどの児童は自分の携帯電話やスマートフォンの利用料金がいくらか把握できていませんでした。こうした実態を踏まえて、「インターネットトラブル」、「見えないお金すごろく」、「外部講師によるスマホ教室」の三つを通して、子供たちに見えないお金と安全・安心について学ばせたいと考えました。
「インターネットトラブル」については、実際のトラブル事例を見せながら、子どもたちと一緒に考えていきました。日常生活への支障やゲーム課金については、本校でも経験している子どもがいます。また、不正アプリやウィルスによる個人情報の漏洩についても考え、困ったときには保護者や学校に相談すること、消費者ホットラインの存在があることも伝えました。
次に、「見えないお金すごろく」をご紹介します。本校の児童は、素直な児童が多く、何事にも前向きに取り組むことができます。特に楽しい活動には積極的に参加します。難しそうと思われがちな「見えないお金」について楽しみながら考えてもらうために、「体験」、「難しそうを楽しそうに」、「最後には驚きと学びを」をキーワードに、ルールがシンプルなすごろくを開発しました。ICカード編とスマホ決済編の2種類があります。最後に、どうすればこのような見えないお金を安心・安全に使えるのだろうということを子どもたち同士で話し合わせました。ゲームを終えた児童の感想では「1回の金額は小さいけれど、何回も買うと金額が大きくなってびっくりした」、「ICカードは上限があるから使いすぎなくて安心だけど、スマホはいくらでも使えるから気をつけたい」といった声が聞かれました。
このような活動を通して、見えないお金を身近に感じさせることができたのではないかと考えています。携帯電話やスマートフォンを持つ年齢が下がりつつある今、金融教育において見えないお金の使い方について教えることの大切さを痛感した実践となりました。