金融商品なんでも百科
(平成30年4月)
株式
株式売買委託手数料
証券会社に支払う株式売買委託手数料は、各証券会社が独自にさまざまな手数料体系を採用しています。手数料は、取引金額や注文方式、取扱い商品などによって、それぞれに設定されています。取引を開始するにあたっては、各証券会社に手数料体系を確認してください。
インターネット取引の拡大
手数料を大幅に割引いたインターネット取引専門の業者が次々に登場しています。インターネット取引専門業者は、少ない店舗数で営業担当者も置かない分、格安の手数料を提供できる強みを持っています。専門業者以外でも多くの証券会社がインターネット取引には力を入れており、通常の取引よりもある程度割引かれた手数料で取引ができます。
インターネット取引には、夜間でも取引指示ができるような使い勝手の良さのほか、取引に有用な情報サービスが入手できるメリットがあります。証券会社の中には、格安の手数料を提供するのではなく、資産運用のアドバイス体制を整備したり、提供する情報の品質を高めるなど、情報サービスの充実を目指すところもあります。
外国株式
外国株式とは、その名のとおり、外国の会社が発行する株式です。
国内証券会社を通じて外国株式を売買する場合には、東京証券取引所に上場する外国株式を売買する方法のほかに、売買注文を海外市場へ取次いでもらう方法や、国内証券会社を相手方として外国株式を売買する方法があります。
インターネット取引で求められる一層の慎重さ
インターネット取引には、手軽な注文方法や格安な手数料など実感しやすいメリットがある反面、気づきにくいリスクもあります。
まず、正確な発注指示は、基本中の基本です。インターネット取引では、すべての操作を投資家自身が行います。営業担当者が相手ならば、相談したり注意を喚起してくれることもありますが、ネット上では、投資家自身の判断の厳格さが一層求められます。取引内容は確認画面で何回も念を押されますが、それでも思い違いがあるかもしれません。入力した数字は、後日郵送または電子書面交付される取引書類などでしっかり確認しておきましょう。
インターネット取引は、手軽に売買注文が出せる反面、ともすれば短期売買に陥りがちで、結果的に手数料がかさむことになりかねません。さらに、取引する証券会社にも以下のような注意を払う必要があるかもしれません。
システム上のトラブルが起こったときの対応は十分にできているか?
事前にトラブルが起こらないようなルールがきちんと準備されているか?
数社に問合わせてその対応を調べてから、取引先を決めることも重要です。
未公開株、社債等に関する不審な勧誘にはご注意を!
昨今、高齢者の方を中心に「未公開株」、「社債」等をかたった詐欺に関する被害が増加しています。その勧誘の手口は、「上場の予定があり、必ず儲かります」、「高値で買い取ります」、「高利回りで、元本も保証します」、「これまでの損を取り返してあげます」などと、言葉巧みに取引を持ちかけるもので、いったんお金を支払ってしまうと、その後、業者とは連絡がとれなくなってしまうものです。
また、実在する証券会社や行政機関等の名前をかたって勧誘するなどの悪質なケースも多くみられます。
「あなただけが儲かる」うまい話はありません。未公開株、社債等に関する不審な勧誘にはくれぐれもご注意ください。
未公開株は、譲渡制限がある場合が多く、一般に株券が出回ることはありません。
譲渡制限のある株を取得しても、株券の所有者は株券の発行会社に、株主として認めてもらうことはできません。また、未公開株の販売等を行うことができるのは、金融商品取引業登録を受けた証券会社等に限られます。さらに、平成23年11月から改正金融商品取引法が施行され、無登録の業者が未公開株を販売した場合、購入者はその売買契約を原則無効にできるなど、無登録業者に対する取引規制が一層強化されています。登録業者は金融庁のホームページで確認することができます。
金融庁 https://www.fsa.go.jp/
また、日本証券業協会では、「未公開株通報専用コールセンター」(0120-344-999)【受付時間 平日 9:00~11:30、12:30~17:00】を設置して相談を受け付けています。
株式等と税金
株式等に関する税金は次のようになっています。
申告分離課税に一本化
株式の売却益は、原則として確定申告が必要です。
特定口座による計算・申告・納税の簡素化
申告分離課税では取引の利益計算と税額計算、そして申告と納税を投資家自身が行わなければなりません。そこで、これらの手続きを簡素化するために、証券会社によっては特定口座を設けているところもあります。
特定口座を利用すると、証券会社が投資家に代わって売買の記録・計算をします。また、特定口座では「源泉徴収なし」と「源泉徴収あり」の選択肢があり、後者を選択すると証券会社が税額計算と納税をするので、自分で確定申告する必要がありません。
また、上場株式・公募株式投資信託の譲渡損益と配当金等との間の損益通算の仕組みが導入されており(2016年1月から特定公社債等<国債、地方債、外国国債および地方債、公募公社債、公募公社債投信など>の譲渡損益や利子等との損益通算も可能となっています。)、上場株式・公募株式投資信託の配当金等についても、源泉徴収ありの特定口座における取扱いが可能となっています。
特定口座のイメージ
株式売買益の税率
上場株式などについては、税率20.315%となっています。
株式売買損の繰越控除
上場株式などについて、証券会社を通じた年間の売買で最終的に損失が出た場合は、翌年以降3年間、上場株式などの譲渡益や配当からの繰越控除が可能となっています(利用している間は売買の有無にかかわらず、毎年確定申告が必要)。
配当課税の簡素化
上場株式などの配当については、以下の図のように(1)確定申告不要、(2)他の所得と併せて総合課税し配当控除する、(3)上場株式等との損益通算をし、確定申告する、という3つの選択肢から選ぶことが可能となり、源泉徴収のみで確定申告を不要にすることもできます。
復興特別所得税
復興特別所得税とは、東日本大震災からの復興財源を確保するため、平成25年から平成49年まで(25年間)の各年分の所得税の額に2.1%を乗じた額が、追加的に課されるものです。