金融広報中央委員会創立70周年記念対談
18歳成年に必要な金融知識
俳優 鈴木梨央×金融広報中央委員会委員 日本銀行副総裁 若田部昌澄
子どものころの夢と初めての大きな買い物
司会 高校生の梨央さんは、俳優として10年以上のキャリアをお持ちのほか、現在は声優としてもご活躍なさっていますが、芸能界に入るきっかけは何だったのでしょうか。
鈴木 私は人見知りが激しく、自己主張もできない子だったのですが、5歳のときに芦田愛菜ちゃんのドラマを見て衝撃を受けて。「私もやってみたい!」と母に一生懸命お願いしてオーディションを受けたのがきっかけです。若田部さんの小さいころの夢って、何だったんですか?
若田部 私の夢は、おもちゃのデパートを作ることでした。1階から6階まで、全部おもちゃ。そんな夢はいつの間にか雲散霧消してしまい、次は歴史が好きだったので、昔から関心のあった経済と歴史が重なる部分を専門とする経済学者になりました。
鈴木 若田部さんにお会いするまでは緊張していましたが、おもちゃのデパートと聞いて、身近というか、親近感が湧いて嬉しくなりました(笑)。
司会 今年は4月に成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたほか、高校の学習指導要領が改訂され、金融教育に関する記述が大幅に拡充されるなど、金融教育界にとってかつてなく熱く盛り上がっている年と言われています。梨央さんは、来年の2月に18歳、新成人になられるんですね。
鈴木 はい、まだ実感は湧かないですけど。
司会 来年新成人になったら買ってみたいものはありますか?
鈴木 今後自分で働いて大きなものを買うとしたら、車を買ってみたいです。今まで送り迎えだったり、どこかへお出かけするときでも母に連れて行ってもらったりしたので、今度は自分が運転して母や家族を乗せて、ドライブをしてみたいです。
司会 若田部さんは、初めての高額な買い物を覚えていらっしゃいますか?
若田部 一番覚えているのは小遣いが少なかったときに買ったレコードです。2,000円か3,000円だったか。中学校1年生くらいのときかな。
鈴木 どなたのレコードですか?
若田部 山口百恵さんとかではなくて、実はベートーヴェンの交響曲第五番なんです。クラシックは昔から聴かれているから、まずはこの辺りを聴こうと。それでクラシックを聴き始めたら、そこからなかなか抜け出せない状況ですね。
鈴木 そうなんですね。素敵です。私から、人生の大先輩である若田部さんにお聞きしたいのですが、今後大きな買い物をするときに、気を付けた方がいいことはありますか?
若田部 自分の収入との見合いというのは大事ですね。まず本当に必要なのかということをよく考える。それからローンを組むとなると、金利や返済期限の問題が出てきますから、それをきちんと比較してみること。お金を借りるにしても増やすにしても、金融の知識が必要ですが、学校で学んだ算数や数学の知識も役に立ちます。
鈴木 大きな買い物をするときには、慎重になるべきですね。