家計の金融資産に関する世論調査
家計の金融資産に関する世論調査[単身世帯を含む全世帯](平成16~18年)
家計の金融資産に関する世論調査 平成17年調査結果
Ⅱ 金融商品・金融機関の選択
1. 選択基準
(1)金融商品
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金融商品の選択の際に最も重視していることは、「元本が保証されているから」が最も多く、ついで「少額でも預け入れや引き出しが自由にできるから」、「取扱金融機関が信用できて安心だから」の順となっている。
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これを「安全性」、「流動性」、「収益性」の3基準(注)に分けてみると、「安全性」を重視する回答が5割、「流動性」が3割弱、「収益性」が1割強となっている。前年と比べると、安全性の割合が若干低下する一方で、収益性の割合がわずかに上昇している。
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単身世帯においては、昨年と比べ「安全性」を重視する割合が1割方低下し3割強となった一方、「流動性」を重視する割合が1割方上昇して約4割となり、最も重要視する基準となった。
(注)ここでは、「安全性」、「流動性」「収益性」に関わる項目をそれぞれ下記のように分類。
安全性:「元本が保証されているから」および「取扱金融機関が信用できて安心だから」
流動性:「少額でも預け入れや引き出しが自由にできるから」および「現金に換えやすいから」
収益性:「利回りが良いから」および「将来の値上がりが期待できるから」
(2)取引先金融機関
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取引金融機関の選択理由については、「近所に店舗やATMがあるから」とする回答が8割弱、「経営が健全で信用できるから」が約3割、「店舗網が全国的に展開されているから」が2割強を占めている。
- 単身世帯では、2人以上の世帯に比べ、「営業時間が長かったり、土日に営業したりしているから」の割合が高い。
2. 金融商品の選択に関する行動
(1) 貯蓄を安全にするためにとった行動
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貯蓄の安全性を高めるため、預貯金保有世帯(注)では、約5割の世帯が「何らかの行動をした」としており、昨年を上回った。
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このうち、預貯金残高(郵便貯金を除く)が1,000万円超の世帯に限ってみると、7割強が「なんらかの行動をした」と回答、前年を上回った。具体的な行動としては「一つの金融機関に預けた預金金額が1,000万円を超えないように預け入れ先を複数に分散した」が5割強、次いで「経営内容がより健全で信用度が高いと思われる金融機関に預け替えた」が約2割となっている。なお、預貯金残高1,000万円以下の世帯でも約4割の世帯で「何らかの行動をした」と回答している。
(注)預貯金保有世帯は、貯蓄を保有している世帯のうち金額を回答している世帯
(2) 各種金融商品の選択に関する自己責任の受け止め方
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金融商品の選択に関する自己責任の受け止め方をみると、「預金(外貨預金を除く)」や「保険」では約4割の世帯が「自己責任と言われても困る」と回答し、その割合は前年比低下している。また、「株式」、「外貨預金」「公社債投信」「デリバティブ商品など」についても1割前後が、「自己責任といわれても困る」と回答。一方、「自分で選んだ商品について自分に責任がある」と回答した世帯の割合は、全商品に亘って前年比低下している。
- このうち、預貯金(外貨預金は除く)金額1,000万円超の保有世帯に限ってみると、預金について「自己責任を持つのは当然」と回答した世帯が約4割となり、「自己責任と言われても困る」と回答した世帯を上回った。