金融商品なんでも百科
(平成30年4月)
公社債
外債
特徴
ひと口に外債といっても、さまざまな種類があります。一般に、公社債のうち、(1)発行者、(2)発行場所、(3)通貨のいずれかが外国であるものを外国債券(外債)といいます。
外債は、満期が1年以上の期間であるのが一般的です。また、外債は、将来の為替相場の予測が難しく、売却や中途換金が容易ではない場合もありますから、よく調べてから購入するようにしましょう。さらに外貨建て外債については、為替リスクにも注意しなくてはいけません。
分類
発行者で分類すると、国際機関や国または政府系機関、地方公共団体など公的な団体が発行する公共債と、一般の法人など民間の企業が発行する民間債とに分けられます。払込価格や利払方式で分類すると、利付債と、ゼロ・クーポン債(利子がない代わりにあらかじめ額面に対して一定率が割引かれた価格で発行されて額面金額で償還される債券)などに分けられます。通貨で分類すると、外貨建て外債、二重通貨建て外債、円貨建て外債に分けられます。
<留意事項>
売却
満期前に売却しようとする場合には、種類によっては取引が少ないため、なかなか買い手が見つからず、時間がかかったり、希望の価格で売却できないことがあります。また、種類によっては、証券会社に買取ってもらうものもあります。
外貨建て外債
米ドルやユーロといった外貨建てで、国際機関・外国の政府や地方公共団体・民間企業または日本の企業などが国内外で発行する債券です。このうち、外国の発行者が日本国内で発行するものをショーグン・ボンドといいます。払込み・利払い・償還すべてが外貨建てで行われます。
二重通貨建て外債
利払いと償還のいずれかに、異なる2種類の通貨が使われる債券です。払込みと利払いの通貨が同じで、償還の通貨が異なるタイプをデュアル・カレンシー債(二重通貨債)といいます。また、取扱いは少ないのですが、払込みと償還が同じ通貨で、利払いの通貨が異なるタイプのリバース・デュアル・カレンシー債(逆二重通貨債)もあります。
このほか、為替相場の変動が一定の範囲内の場合に、円貨で償還を行うなどの特約がついたものもあります。
円貨建て外債
国際機関・外国の政府や地方公共団体・民間企業が国内外で発行する円貨表示の債券、または日本の企業などが国外で発行する円貨表示の債券です。利払い、償還とも円貨建てで行われ、為替リスクはありません。このうち、非居住者により日本国内で発行されるものがいわゆるサムライ・ボンド(円建て外債)です。
一方、海外の市場で発行された円建て債券がユーロ円債です。こうした通貨国市場以外での金融取引は、主にヨーロッパ(ロンドン)の金融市場を中心に発達してきたため「ユーロ」と名付けられていますが、欧州統一通貨の「ユーロ」とは全く異なる概念です。