金融商品なんでも百科
(平成30年4月)
公社債
公社債(債券)とは
公社債(債券)は、資金調達をしようとする国や地方公共団体、企業など(発行体)が多数の投資家から資金を借入れる際に発行する、いわば「借用証書」です。発行体は、元本の返済と利息の支払いを約束しています。
公社債の仕組み
公社債は、発行体が発行時に定めた返済の期日(償還期日)までの期間中に一定の利子を支払うことを約束しています。
公社債の一般的なタイプでは、発行されるときに決められた金利(利率)が満期まで変わることなく支払われます(固定利付債)。基本的には購入した後、定期的に利子を受取り、満期時点で額面金額が返還(償還)される仕組みになっています。
また、満期以前の換金は売却(中途換金)によって行います。ただし、中途換金は、その時点の市場価格によるのが原則です。市場価格は日々変動しますので、購入時点の価格よりも、値上がりしていることもあれば、値下がりしていることもあります。
公社債の種類
発行体による分類
公社債は、発行体の違いによって、大きく3つに分けられます。国、地方自治体および公共機関の発行する「公共債」、民間企業が発行する「民間債」(いわゆる社債)、外国の政府・政府関係機関、事業会社が発行する「外国債」(いわゆる外債)があります。さらに、公共債は「国債」、「地方債」、「政府関係機関債」に、また、民間債は「事業債」、「金融債」に分けられます。
利払い方式による分類
公社債は、利払い方式によって、利付債と割引債に分けられます。
利付債は、発行されるときに決められた金利(利率)が満期まで変わることなく支払われる固定利付債が一般的です。そのほかに、その時々の市場金利に連動して利率が変わる変動利付債もあります。
一方、割引債は、利子がないかわりに、あらかじめ額面から利子相当額を割り引いた価格で発行され、満期時に額面金額で償還されます。
新発債と既発債
新発債は、新しく発行される債券です。新発債を購入した日から満期償還日まで所有した場合の利回りは、応募者利回りと呼ばれます。
一方、既発債は、すでに発行され市場で取引されている債券です。既発債の価格は、金利情勢などによって日々変動しています。既発債を購入した日から満期償還日まで所有した場合の利回りは、最終利回りと呼ばれます。
取扱い金融機関
公共債は、証券会社、銀行、信用金庫、信用組合、郵便局(国債のみ)、保険会社などのほとんどの金融機関で取扱っています。一方、社債、外債などは証券会社で取扱っています。