金融商品なんでも百科
(平成30年4月)
クレジット
クレジットについて知っておきたいこと
1.クレジットカードの支払方式
クレジットカードには、いくつかの支払方式があり、利用時に選択することができます(※)。以下に代表的な支払方式をあげてみます。
※選択できる範囲は、クレジット会社と販売会社の契約関係や利用するクレジットカードによって異なります。
(1)翌月一括(1回)払い
マンスリークリアとも呼ばれ、商品等を購入した翌月に一括して支払う方式です。一般に手数料はかかりません。
(2)ボーナス一括(1回)払い
商品等を購入した翌ボーナス時期に一括して支払う方式です。この方式も一般に手数料はかかりません。
(3)分割払い
商品等を購入した際、商品等の金額や支払金額等を考慮して、支払回数(例えば10回払い、24回払いなど)を決めて支払う方式です。利用金額や支払回数に応じた手数料がかかります。
(4)リボルビング払い
クレジットカードを利用した支払残高をもとに月々の支払金額を一定額に決めておく方式です。月々の支払いを一定にすることができ家計管理がしやすい利点があります。一方、分割払いと異なり、支払回数や期間の設定がないため、支払残高があるかぎり支払いが続き、無計画に利用すると支払いが困難になる場合もあります。支払残高に応じて手数料がかかります。
2.クレジットカードの紛失・盗難
クレジットカードを紛失した、または盗難にあったことに気付いた場合は、すぐにクレジットカードを発行した会社と最寄りの警察に届けることが必要です。多くのクレジットカードには紛失したり盗難されたカードが不正に利用されてしまった場合に損害を補てんする制度がありますが、この制度を利用するためには速やかな届出とクレジット会社の調査に協力しなければなりません。
3.クレジットカードの管理
「クレジットカード会員規約」の中で、クレジットカード会員にはクレジットカードの「善管注意義務」が課せられています。他人(身内も)にクレジットカードを貸した場合や、カードの管理をしっかりせずに他人に利用された場合は、支払い義務が生じます。
4.暗証番号の管理
ICチップを搭載したクレジットカードでは、ショッピングの際にサインの代わりに端末に暗証番号を打ち込みます。これは、サインと同様に契約内容の確認と本人確認の意味を持ちます。
暗証番号は非常に重要なものです。覚えやすいからといって「生年月日」、「電話番号」等にしていると、悪用される場合があります。他人に類推されにくい番号を選ぶことが必要です。
5.利用料金等の確認
請求書(利用明細書)と利用伝票の控えとの金額が違っていた場合には、クレジット会社に直ぐに連絡しましょう。自分の正確な利用履歴を確認するためにも、利用伝票の控えは支払いが終了するまで保管しておくことが必要です。
6.支払停止の抗弁
クレジットで購入した商品等に欠陥があるなどの問題があるときは、消費者はクレジット会社からの代金請求に対して、問題が解消するまでの間その支払いを停止することができます。これが、割賦販売法に定める「支払停止の抗弁」です。ただし、これは契約の解除ではありません。問題が解決した場合には、その後支払いを再開しなければなりません。
なお、「支払停止の抗弁」には、一定の条件(金額、支払方式など)がありますのでご注意ください。
7.個別クレジット(信用購入あっせん)の消費者保護
(1)個別クレジット契約のクーリング・オフ
訪問販売などの特定契約において、個別クレジット契約を利用して商品を購入した場合、販売契約とともに個別クレジット契約もクーリング・オフが可能です。
(2)個別クレジット契約の申込等の意思表示の取り消し
訪問販売などの特定契約において、個別クレジット契約を利用して商品を購入した場合に、不実の告知などにより消費者が誤認して契約した場合、販売契約とともに個別クレジット契約の申込みまたはその意思表示を取り消すことができます。
(3)過量販売の個別クレジット契約の申込の撤回等
訪問販売により、通常必要とされる分量を著しく超える商品などの購入契約を締結した場合、購入者はこれを撤回することができ、その場合個別クレジット契約の申込も撤回等ができます。
8.インターネットショッピングでのクレジットカードの利用
インターネットでクレジットカードを利用する際には、通常の店舗での利用と異なり、伝票へのサインや端末への暗証番号の打ち込みはできません。
最低限、必要なのは、「カード番号」と「有効期限」の入力ですが、カード番号とは別に付番された数字(セキュリティコードといいます)を追加入力させるサイトや、あらかじめカード会員がクレジットカード会社に登録しているパスワードを入力させる(このしくみを3Dセキュアといいます)サイトが増えています。このような安全管理措置がされているかを確認して利用することを推奨します。
また、インターネットでクレジットカードを利用する際には、情報の管理の意識も必ず必要です。サイトにログインするIDやパスワードの使い回しはやめて、利用したサイトは必ずログオフする習慣を付けておきましょう。