金融商品なんでも百科
(平成27・28年用)
金融機関選びのポイント
健全ですぐれた金融機関選びの重要性
資金を安全に運用するには、金融商品そのもののリスク、たとえば元本保証されているか(商品の安全性)どうか、などのほかに、その金融商品を発行ないし取扱っている金融機関の安全性や利便性などにも注目することが大切です。金融機関、特に銀行などを選ぶ際には、次の7つの点を比較検討してください。
(1)健全性
預金を取扱っている金融機関の選択にあたっては、ディスクロージャー資料や格付けなどによって金融機関の安全性を確認することが大切です。金融機関の経営内容が健全でなく不良債権が多いなどの理由で破綻してしまうと、預金全額が保護されなくなることがあるためです。
(2)リスク管理
金融犯罪などのリスクから預金者を守る仕組みがどうなっているかも大切なポイントです。キャッシュカードの磁気情報を不正に読取り使用するスキミングに対しては、読取りが難しいといわれるICチップを搭載しているカードを採用したり、手のひらや指の静脈を認証する生体認証機能のついたカードを発行している金融機関があります。また、ATM引出し限度額を設定できたり、保障のついた預金を取扱っている金融機関もあります。そのほか、出金メール通知・カード盗難保険など金融機関によってセキュリティ対策はさまざまに行われています。他方、ICキャッシュカードなどを発行してもらう場合は、手数料がかかることがあります。
(3)金利水準
預金もローンも金融機関により金利に差があるので、この点もチェックしたい点です。外貨預金も銀行によって金利差がありますし、住宅ローンはさらに金利差が大きいといえます。数十万円かかる保証料や、繰上げ返済手数料を無料にする所もありますので、こういった面も比較検討したいところです。
(4)金融商品の品揃え
預金以外に投資信託や外貨預金・外貨建てMMF、株式や国債・外債、金、そして個人年金保険など、さまざまな金融商品がどんな内容でどのくらい品揃えされているかもチェックしたい点の1つです。投資信託や外貨預金の種類がどれくらいあるかもみておくべきでしょう。銀行経由で株式や投資信託を購入すれば口座振替の手間も省けるので便利です。
(5)手数料
手数料をなるべく減らすことは大切なポイントの1つです。ATMやインターネットによる振込手数料などを比較するほか、ATMによる預金引出し手数料が何時から何時まで無料か、平日・休日の時間外手数料がいくらか、あるいは無料か、コンビニATMの場合はどうか、外貨預金手数料はどの程度か、など利用方法によって必要な点を比較・確認しておきましょう。
(6)利便性
店舗が身近にあったり、コンビニATMや郵便局のATMを利用できるなどの利便性は重要です。銀行のATMの数、コンビニATMや郵便局のATMとの連携、24時間稼動ATMの有無などを、手数料の安さも含めて検討してください。また、インターネットバンキングで残高照会や取引明細の照会、あるいは決済ができるか、携帯電話によるモバイルバンキングで口座振込や定期預金の新規口座開設、あるいは投信の購入などができるか、などもチェックしたい点です。
(7)コンサルティングサービス
店頭での簡単な相談のほか、コンサルティングルームを設けて顧客の資産運用相談にていねいに応じたり、住宅ローンや公的年金の相談に応じたりする中立的な相談サービスがあるかどうか、土日や夕方仕事帰りの時間帯などに相談可能かどうか、という点もチェックしておきたい点です。