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老後に備えて、上手な資産形成を考えましょう
初心者・一般向け
- 資産形成
- 老後資金の準備
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- リスクのコントロール
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- NISA
なぜ、老後に備えるの?
皆さんは「人生の三大資金」をご存知ですか。「子どもの教育資金」、「住宅取得資金」、「老後資金」の3つの資金をいいます。そして、これら三大資金は、それぞれ数千万円規模の多額な資金を要します。この中で、人生で必ず誰にでも訪れるのは「老後」です。平均寿命は男性で81歳、女性で87歳と急速に高齢化が進んでいます(厚生労働省「平成30年簡易生命表」)。
仮に、老後を65歳以上とすると、平均余命(あと何年生きられるか)は、男性で19年、女性で24年となります(同)。平均寿命については、今後ますます延びると予想されており、「人生100年時代」ともいわれています。自助努力での資産づくり(資産形成)がますます重要になってきているのです。
どのように資産形成をしていけばいいの?
とはいえ、「老後?まだまだ先の話でしょ」とピンと来ない方も多いかもしれません。しかし、老後資金は誰にでも必要となります。そして、若ければ若いほど、長い準備期間をかけることができます。では、実際に、長期間にわたって資産を形成していくには、どのような方法が考えられるでしょうか。
資産を形成するための金融商品には、預貯金などの「元本保証がある」ものと、投資信託などの「価格が変動する」ものがあります。価格が変動する商品は、収益性が見込まれる一方、損失を被る場合もあります。長期間にわたって資産を形成していくには、こうした「リスク」を取って(テイクして)、儲けるという発想(リスク・テイク)ではなく、リスクをいかにコントロール(リスク・コントロール)して値動きのブレを抑えながら、安定した収益を獲得していくことに重点を置いて、運用することが大事です。
預貯金だけで十分な金額を積み立てられるのであれば、それもよいのですが、そうではない場合、今のような金利が低い時代では、預貯金だけではお金を増やすことには限界もあります。では、どうすればよいのでしょうか。
「長期運用」、「分散投資」、「積立投資」でリスクをコントロール
資産が目減りする(元本割れの)リスクは完全になくすことはできませんが、これをある程度コントロールしながら、預貯金以上にお金を増やすことが期待できる方法があります。それが「長期運用」、「分散投資」、「積立投資」の組み合わせです。
具体的には、投資タイミングを分けて、定期的に決まったタイミング(例えば毎月など)で、決まった一定額を投資する、定期定額の投資方法です(「ドルコスト平均法」ともいいます)。投資対象については、ひとつの投資対象商品に集中して投資するのではなく、株式や債券、預貯金など複数の金融商品に分散したり、投資先の国や地域をバランスよく分けて投資することがお薦めです。
投資の対象やタイミングを分散させるとともに、定額で投資し続けることにより、「高値」の時は自動的に少ない数量で、「安値」の時は自動的に多めの数量で、それぞれ購入することが可能となり、長期的にこれを継続することで、平均購入単価を低く抑える(含み損を発生しにくくする)効果を期待できます。
長期の資産形成に適した「つみたてNISA」と「iDeCo」
2018年1月にスタートした「つみたてNISA(ニーサ)」と、2017年1月に対象者が拡大された「iDeCo(イデコ)<個人型確定拠出年金>」はともに税制優遇が魅力的な制度です(表参照)。そればかりではなく、この2つの制度は、少額からでもコツコツと運用を行うことができる仕組みになっていて、「長期運用」、「分散投資」、「積立投資」の効果が期待できます。
それぞれのしくみや特徴などを十分に理解したうえで活用すれば、長期の資産形成を効率的に行うことも可能になります。皆さんも、「つみたてNISA」と「iDeCo」の利用を検討して、資産形成を始めてみませんか!
つみたてNISA | iDeCo | |
---|---|---|
利用できる人 | 20歳以上の居住者 | 20歳以上60歳未満の居住者 |
投資可能期間 | 2037年まで | 掛金の拠出は60歳まで |
非課税期間 | 最長20年 | 運用期間を通じて非課税 |
非課税投資限度額 | 40万円/年 | 5,000~68,000円/月※ |
利用できる金融機関 | 銀行・証券会社 | 銀行・証券会社・保険会社 |
投資対象商品 | 一定の投資信託 | 定期預金・保険・投資信託 |
資産の払出し | 制限なくいつでも可能 | 原則として60歳以降(途中で引き出しはできない) |
※ 個人事業主、会社員、公務員など、働き方によって異なる。