Let'sチョイ読み!お金の知恵の活かし方
金融商品を比べてみましょう。
初心者・一般向け
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金融商品にも性格がある!?
今の時代、お金を預貯金だけではなく、ほかの金融商品でも運用したいと思っている人は多いのではないでしょうか。一口に金融商品といっても、投資信託、株式、債券、保険などさまざまな金融商品があるので、この中から自分にあった商品を選択することになります。こうした金融商品選びをするときに知っておきたいのが、金融商品それぞれの性格です。「えっ、性格?」と思う人がいるかもしれませんが、金融商品もそれぞれに性格が異なっていて、また長所・短所があるのです。付き合う相手の性格を知っておこうというのは、人間関係でも同じですね。
3つの視点「安全性」、「流動性」、「収益性」
「金融商品の性格って言われても…?」という声が聞こえてきそうですが、金融商品は、「安全性」、「流動性」、「収益性」の3つの視点で評価することによって、その性格をつかむことができます。
「安全性」とは、その金融商品で運用した結果、元本が減らないことです。
「流動性」とは、必要になったときに現金に換えやすいことです。金融商品によっては、あらかじめ決められた期限(満期)まで自由に引き出せなかったり、売却しても実際にお金を受け取るまでに数日かかるものがあります。
「収益性」とは、その金融商品で運用することによって利益が出やすい(お金が増えやすい)ことです。
3つの視点すべてに優れる金融商品はない
「じゃあ、3つの視点全部に優れているものを選べばいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、そうはいきません。なぜなら、3つの視点すべてに優れる金融商品はないからです。
まず、安全性と収益性は両立しない関係といわれます。つまり、「安全性が高い商品」は「収益性が低い」、「収益性が高い商品」は「安全性が低い」ということです。
例えば、「普通預金」と「株式」を比べてみましょう。
- 安全性:「普通預金」>「株式」
- 収益性:「普通預金」<「株式」
普通預金は、1,000万円までの元本とその利息が保証されるので、預けているお金が減ることはなく、「安全性が高い」のですが、利率は高くないため「収益性が低い」ことになります。一方、株式は、会社の業績や市場の動き次第では、株価の上昇や配当の増加が期待できるので普通預金に比べて「収益性が高い」といえますが、株価が購入したときの価格を下回る可能性もある(場合によっては株価がゼロになる)ので「安全性が低い」ことになります。
また、収益性と流動性は両立が難しい関係といわれます。つまり、「収益性が高い商品」は「流動性が低い」、「流動性が高い商品」は「収益性が低い」ということです。
例えば、「定期預金」と「普通預金」を比較してみます。
- 収益性:「定期預金」>「普通預金」
- 流動性:「定期預金」<「普通預金」
定期預金は、普通預金に比べて預金利率が高いので収益性は高いですが、原則として一定期間は引き出せないので流動性は低くなります。普通預金はいつでも引き出しが自由なので流動性は高いですが、預金利率が高くないので収益性は低くなります。
「じゃあ、安全性と流動性はどうなの?」という疑問を持った人もいるかもしれませんが、安全性と流動性は両立できる関係にあります。例えば「普通預金」が当てはまります。 普通預金は、預けているお金が減ることはありません。しかも、いつでも引き出せます。つまり、「安全性が高く」、「流動性も高い」商品ということになります。
3つの視点のうち、どの視点を重視すべきかを考える
金融商品を選ぶときには、お金を運用する目的や期間との関係で、どの視点を重視すべきかを考えて、それぞれの長所・短所を比較しましょう。例えば、1年後に控えている結婚のための資金を準備するなら、大きく増やしたいのはやまやまだけど、絶対に減らせないお金だから、収益性よりも、安全性を重視するでしょう。また、若い社会人の方なら、何十年後かに訪れる自分の老後資金の備えとして、少し冒険をして(つまり、安全性よりも収益性を重視して)株式に投資するかもしれません。
このように、お金を使う目的(資金使途)に照らしながら、「安全性」、「流動性」、「収益性」の視点を切り口に、金融商品を選択するとよいでしょう。