2019年度 先生のための金融教育セミナー（8月・東京）

【小学校・中学校向け】

1.来賓挨拶

文部科学省初等中等教育局
名子 学 教育課程課 課長補佐

金融広報中央委員会におかれましては、本日の「先生のための金融教育セミナー」を始めとして、教員を対象とした研修会の開催、学校現場への講師派遣など、日頃から金融教育に対して多大なるご支援、ご協力をいただいておりますことに改めて感謝申し上げます。また、全国から多数の先生方にご参加いただき、金融教育の充実、発展のために日々研鑽を積まれていることに対して敬意を表します。

金融は現代社会を生きる私たちにとって不可欠なものでございます。限りあるお金を管理しながら、どのような消費を行うかの意思決定をすることや、貯蓄をしたり、事故・災害・病気に備える保険に加入することなどがあります。近年は電子マネーなどのキャッシュレス決済も普及し、便利な一方で家計管理が複雑になってきております。この新たな社会におきまして、金融や経済の仕組みを理解し、個人の資産形成について考える重要性が一層増していると考えております。

民法改正により、令和4年4月から成年年齢が18歳に引き下げられます。若年者の消費者被害の防止・救済の観点から、また子どもたちが自立した経済的な主体となっていく上でも、義務教育段階から金融の仕組みや金融に対する考え方を身につけることは非常に重要であると考えております。平成29年3月公示の新学習指導要領において、小学校の家庭科では買い物の仕組み、売買契約の基礎、中学校の技術・家庭科ではクレジットカードにまつわる三者間契約について触れているなど、金融の仕組みや働きを理解するための教育の充実を図っているところでございます。来年度以降は小学校から順次、新学習指導要領が実施されます。文部科学省としましては、学習指導要領の主旨が徹底されるよう、全力で取り組んで参りますので、引き続き皆様のご協力をお願い申し上げます。

本日、全国から金融教育にかかわる先生方にお集まりいただきまして、新学習指導要領の実施を見据えたパネルディスカッション、実践事例のご発表、ワークショップが行われると伺っており、本セミナーは大変意義があるものと思います。本セミナーが皆様にとって実り多いものになることを期待するとともに、皆様のますますのご健勝を祈念いたしましてご挨拶とさせていただきます。