Let'sチョイ読み!お金の知恵の活かし方
運用は気長に行って、時間を味方につけましょう!
一般・初心者向け
- 資産形成
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- 長期運用
- 時期の分散
- 定額購入法(ドル・コスト平均法)
運用は中長期的な視点で考えていこう!
株式や投資信託などで運用していると、「やった!値上がりした!」、「残念。値下がりした…」と価格の動向に一喜一憂するものです。でも、運用は目先の結果だけに左右されず、長期的な資産形成の観点から行うことが大切です。つまり、長期運用をすることです。
長期間にわたって運用を行うと、複利の効果が大きく働きます。運用から生じた利子や配当をふたたび投資して継続的に運用を行うことで、いわば、利息が利息を生んでふくらんでいくように効果的にお金を増やしていくことができるようになるでしょう。
また、長期的な観点から運用を行えば、一時的な景気後退によって株価が下落したときに最も安い価格で売却してしまい、結果的に損を大きくしてしまうといったことを避ける効果も期待できます。
一定額ずつ継続購入していく定額購入法
投資を長期にわたって継続することで「時期の分散」を行い、リスクを減らす効果が得られることもあります。例えば、株式のように上下に価格が変動する商品を長期にわたって定期購入すれば、いわゆる「高値づかみ」(最も高い値段だけで買うこと)を避けられるでしょう。
さらに、毎回の投資金額を一定額とする定額購入法(ドル・コスト平均法)によれば、価格が低いときにはより多くを、価格が高いときにはより少なく買い付けることになります。そして、この定額購入法を継続していくと、毎回同じ量を買い付けていく場合に比べ、買付単価(取得価格の平均値)を下げやすくなります。
定額購入法の効果
同じ銘柄の株式を毎月一定金額(12,000円)ずつ購入する場合と、毎月一定株数(10株)ずつ購入する場合です(表参照)。株価はどちらも同じ設定です。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
株価 | 1,200 | 1,000 | 800 | 1,200 | 1,500 | 2,000 | ― |
購入金額 | 12,000 | 12,000 | 12,000 | 12,000 | 12,000 | 12,000 | 72,000 |
購入株数 | 10 | 12 | 15 | 10 | 8 | 6 | 61 |
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
株価 | 1,200 | 1,000 | 800 | 1,200 | 1,500 | 2,000 | ― |
購入金額 | 12,000 | 10,000 | 8,000 | 12,000 | 15,000 | 20,000 | 77,000 |
購入株数 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 60 |
まず、毎月一定金額ずつ購入する場合を見ていきましょう。毎月12,000円ずつ購入した場合、購入金額の合計は72,000円、購入株数は61株になります。ですから、平均の買付単価は、72,000円÷61株=1,180.3…円となります。
次に、毎月一定株数ずつ購入する場合です。毎月10株ずつ購入した場合、購入金額の合計は77,000円、購入株数は60株となるので、平均の買付単価は、77,000円÷60株=1283.3…円になります。つまり、毎月一定金額ずつ購入したほうが、平均の買付単価が100円以上低くなっているわけです。買付単価が低く抑えられるので、毎月一定株数ずつ購入する場合に比べて、損が出にくい方法であるということができます。この意味では、投資初心者にも始めやすい方法と言えるでしょう。
ただし、定額購入法も万能ではありません。
投資対象の価格が中長期的に下落し続ける場合には(最初に一括購入する場合に比べて軽くなるとは言え)損失が発生します。ですから、長期運用においても投資対象の選択は何より重要ですし、投資対象を分散させることも考えるべきでしょう。
また、言うまでもなく、投資は「自己責任」が原則です。実際に投資にチャレンジする場合には、以上のような点にも留意してみてください。