Let'sチョイ読み!お金の知恵の活かし方
「お金を増やしたい、でも損するのは嫌なんです」という人に!
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リスクとリターンとは?
「お金を増やしたい、でも損するのは嫌だ」と思っているあなた。では、「必ず儲かる!絶対に損はしない」という金融商品を勧められたら、どうですか?もっと詳しい話を聞いてみたいと思ったのであれば、とても危険!実は、これは金融商品詐欺の常套文句。そんなおいしい話はありません。
では、なぜそうなのでしょうか?ここでは金融商品の「リスク」と「リターン」について考えていきましょう。
お金を運用する場合、その結果として利益が生じることもあれば、損失が発生することもあります。投資の世界では、お金を運用した結果、得られるものを「リターン」といいます。一般に「リターン」というとプラスのイメージがありますが、これには、利益だけでなく、損失も含まれることに注意してください。10,000円を運用した結果、1か月後に500円増えた場合には、プラス500円のリターン、500円減った場合には、マイナス500円のリターンがあったというわけです。
さて、「お金を増やしたい」と思う人は、より高い「リターン」を追求しようと考えることでしょう。ただ、ここで注意しなければならないのは、お金の運用には「リスク」がつきものだということです。「リスク」と聞くと「危険」というような言葉のイメージがありますが、ここでいう「リスク」とは、「リターン」の不確実性の大きさのことをいいます。リスクが小さいとは、リターンの不確実性が小さいことを、リスクが大きいとはリターンの不確実性が大きいことを意味します。例えば、①銀行預金に100万円を預ける場合と、②100万円である会社の株式を購入する場合を想像してみてください。1年後、この100万円が増えているか、減っているか、どちらが具体的にイメージできますか?
リスクとリターンは表裏一体、「ローリスク・ハイリターン」はありえない
このリターンとリスクは、「高いリターンを得ようとすると、リスクも高まる(ハイリスク・ハイリターン)」、「リスクを低く抑えようとすると、リターンも低くなる(ローリスク・ローリターン)」という関係にあります。
だから、より「高い」リターンを求めようとすると、「リスク」も高くなってしまうのです。大きなリターン(利益)が期待できる金融商品ほど、価格が上がったり下がったりという値動きの幅(不確実性)も大きくなります。大きく値上がりすることもあれば、逆に大きく値下がりし、大きな損失が生じる可能性も高くなります。
反対にリスクが小さい金融商品は値動きの幅も小さくなるので、大きく値下がりする可能性は低い反面、期待できるリターンも小さくなります。
ところで、さきほどの「必ず儲かる!絶対に損はしない」という話は、この「リターン」と「リスク」を使って言い換えると「ローリスク・ハイリターン」ということになります。リスクなくして高いリターンを得られることはないということを理解してもらいたいと思います。
また、リスクを高めれば、必ずリターンが高まるわけではありません。だから、過度にリスクを取り過ぎないようにすることも大切です。
金融商品によってリスクとリターンは大きく異なる
下の図は主な金融商品とリスクとリターンのイメージを表したものです(これはあくまでイメージ図なので、必ずしもこの図のとおりであるとは限りません)。
株式や債券など、金融商品によってリスクとリターンは大きく異なります。例えば、株式はハイリスク・ハイリターンなのに比べ、預貯金はローリスク・ローリターンです。また、投資信託は商品によって投資する対象がさまざまであるため、リスク・リターンもさまざまです。
金融商品でお金を運用する場合には、このリスクとリターンの関係を踏まえたうえで、自分が保有するお金の目的(生活資金なのか?ゆとり資金なのか?増やす資金なのか?)に応じて、どれくらいリスクを取る余裕があるのかをよく考えて、その余裕の度合いに合わせて金融商品を選択することが大切です。
また、増やす資金の場合でも、一つの金融商品で短期的に運用するのではなく、分散・積立といった長期的な視点での運用を考えましょう。複数の金融商品にお金を分散することで、どれかが値下がりしても、ほかの値上がりにより損失のカバーが期待できるなど、リスクを抑えることもできます。さらに、積立で長期的に続けることで、高値づかみやパニック売りを避けたり、取得価格を平準化することもできます。