家計の金融行動に関する世論調査
家計の金融資産に関する世論調査[二人以上世帯](平成15年まで)
貯蓄と消費に関する世論調査 平成12年調査結果
調査結果概要の要旨
Ⅰ 貯蓄の状況
本年の1世帯当たり平均貯蓄保有額は1,448万円と、前年(1,366万円)に比べて増加した。年間増加額の金融商品別内訳をみると、預貯金、生保・簡保、投資信託の寄与が大きい。
貯蓄保有世帯が貯蓄の目的として挙げている内容は、「病気・災害への備え」が最も多く、これに「老後の生活資金」、「こどもの教育資金」が続いている。なお、中期的なトレンドとしては「老後の生活資金」が上昇傾向にある。
Ⅱ 金融商品の選択
(金融商品の選択基準)
金融商品選択の際に最も重視していることとしては、引続き「安全性」を重視するウエイトが高いが、ここ数年は「収益性」を重視する世帯が僅かながら増加。
(元本割れリスクに対する認識と自己責任意識)
元本割れリスクのある金融商品を保有もしくは保有経験のある世帯の4分の3が、実際の元本割れを経験。その結果について、「自らの相場予想が外れた」あるいは「自らの理解不足によるので仕方がない」と受け止める世帯が8割超ながら、金融機関側の説明や勧誘に起因すると考える世帯も15%強存在。
この間、金融商品の選択における自己責任の受け止め方は、全ての商品について、「自分で責任を持つのは当然」と考える世帯が前年調査比増加。
(金融商品選択に際しての情報の利用)
金融商品選択に関する知識やスキルについては、全体の半数前後の世帯が不足を感じている。
こうした中、過去2年間での金融商品の購入・購入検討のきっかけは、「金融機関の担当者等の勧め」が最も多く、金融商品を取り巻く環境変化の影響は現時点では限定的。また、購入・購入検討時に入手した情報そのものについては「満足している」世帯が「満足していない」世帯を上回っているが、正しい判断を行うのに必要な情報が「すべて入手できた」と思う世帯は「入手できていない」と思う世帯を下回っている。
Ⅲ 金融環境に対する認識
今後1~2年間の金融機関全般に対する評価は、前年調査に比べて「落ち着きを取り戻す」、「現状と変わらない状況が続く」が増加し、「さらに混乱する」との見方は減少。取引金融機関の経営内容に対しても、「健全だと思っているので、不安はない」が増加、「経営破綻もあるのではと、不安に思っている」が減少。
こうした中、預金保険制度を知っている世帯は、全体の4分の3を超えたが、本年5月の預金保険法改正による制度変更については、全体の半分以上が知らない。なお、投資者保護基金を知っている世帯は全体の3割弱、保険契約者保護機構を知っている世帯は4割弱。
Ⅳ 老後の生活
老後の生活を心配している世帯の割合は、引続き高水準。心配している理由としては、「年金や保険が十分ではない」、「現在の生活にゆとりがなく、老後に備えて準備していない」が前年調査比増加。
また、公的年金・企業年金ではゆとりはないとの回答は、なお9割を占めている。その不足分をどのようにまかなうかについては、前年に比べて「貯蓄でまかなうつもり」が増加し、「働いてまかなうつもり」および「まだ先のことなので考えていない」が減少している。