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先生のための金融教育セミナー

平成20年度教員のための金融教育セミナー

2.分科会(金融教育の事例紹介とワークショップ)

分科会2(中学校)

進行およびコメント:
岐阜大学教育学部 大杉 昭英 教授

実践報告およびワークショップ(1)

「家計のシミュレーションゲームと模擬商談~身近な経済活動を擬似体験し、その意義を知る~」(社会科)
東京都目黒区立目黒中央中学校 三枝 利多 教諭

実践報告

この実践では、家計に関するシミュレーションゲームと模擬商談の実践を行いました。

まず、家計についての基礎的な知識を一斉授業で押さえます。次に、家計の支出項目について、自分はどこに重きを置くのか、3つのコースからまずは個人で選択をして、その後、実際にゲームを行うグループで話し合って決定します。そしてシミュレーションゲームでは、各グループがカードを引くことによってさまざまな出来事が発生します。最後に家計の見直しを行って、各グループが自分たちの選択の妥当性について検討しました。

続いて行った模擬商談では、あらかじめ講師をしていただく企業の方と打ち合わせを行い、生徒も商談の準備として、グループごとに住宅と自動車のどちらを取引するかを選択し、商談のケースを3つほど考えて、当日はロールプレイング方式で商談を展開していきました。現実的な状況設定を通して、生徒たちは、自分たちの選択は実現可能か、購入できるのかという点について専門家と交渉することができ、経済取引がさまざまな条件の中で価格を考慮しつつ選択によって行われていることに気づくことができました。

ワークショップ

生徒が行ったように、参加者も11の班に分かれて、家計の設計を行いました。年収840万円を単純に12で割って、月70万円の月収で考えました。参加者からは、「教員主導で板書して生徒に教え込んでいくのではなくて、とにかく子どもを動かそうとしてやっていくので、子どもに入ってくる内容が大きいと感じた。ぜひ実践に生かしたい」という意見がありました。

コメント

大杉先生から「シミュレーション学習では、自分がやっている活動をもう1人の自分がモニターすることにより、子どもたちの理解がぐっと深まり、経済的な活動をよりよくとらえることができる。金融教育の内容を深めていく1つの有効な方法です」というコメントがありました。

三枝利多教諭の実践事例は、金融広報中央委員会の広報誌「くらし塾 きんゆう塾」2008年夏号、『金融教育ガイドブック~学校における実践事例集』に紹介されています。
広報誌「くらし塾 きんゆう塾」Vol.5 2008年夏号
金融教育ガイドブック~学校における実践事例集 社会科・公民科の実践事例

分科会2(中学校)の模様(1)

実践報告およびワークショップ(2)

「賢い消費者になろう ロールプレイング~いろいろな販売方法を知り、適切な選択、購入の態度を身につける~」(技術・家庭科)
石川県能美市立根上中学校 朝倉 京子 教諭

実践報告

まず、中学生の自分が生活できるのは、家族が働き収入を得て、計画を立てて消費や貯蓄をしているからであることを実感させたいという思いから、中学校に入学するために必要だった物と金額を挙げ、計算させます。さらに、正しい知識を得て自分の責任で判断、行動することが重要であることを意識づけるために、実際に100万円借りたときの返済額を計算し、金利との関係を理解させます。

物資やサービスの選択では、具体的にどんなものを購入しているのかをみんなで挙げることを通じて、最近の生活の変化でサービスの種類や利用頻度が大幅に増えていることに気づかせます。物資やサービスを選択するときは、流行や価格だけではなくて、品質や安全性、環境への影響についても考えられるようにしています。

ロールプレイングでは、販売方法を店舗販売と無店舗販売に、また無店舗販売をさらに通信販売と訪問販売に分け、グループに分かれてどの販売方法を担当するかを決め、話し合いでまず利点や問題点を整理します。その後、それぞれの役割を決め、あらすじとせりふが決まったら、簡単な練習の後、黒板の前に出てロールプレイングをし、それを見てどんなことがわかったかをワークシートにまとめる展開にしています。

ワークショップ

授業と同じように、班に分かれて店舗販売、通信販売、訪問販売のシナリオをつくり、2つの班が前に出て実演、他の班はそれを見て、気づいたことをワークシートに記入しました。「実際に自分でやってみて、体験を通じて難しい点が理解できたのは非常によかった」という意見が出ました。

質疑応答、コメント

大杉先生から「販売方法の特徴を知ってよりよい購入の仕方を考えるという授業だが、特にロールプレイングでは自分の役割を演じ切ることで、販売者はどのように考えているのか、購入者はそれに対してどうすべきなのかということをより深く考えることができる授業だと思う」、「消費者問題や金融など、いろいろな教育内容を見ていくと、ほかの教科との結びつきが大切であり、そのためには学校全体のカリキュラムをコーディネートすることが大事になってくる」というコメントが寄せられました。

朝倉京子教諭の実践事例は、金融広報中央委員会の広報誌「くらし塾 きんゆう塾」2008年秋号、金融広報中央委員会の『金融教育ガイドブック~学校における実践事例集』に紹介されています。
広報誌「くらし塾 きんゆう塾」Vol.6 2008年秋号
金融教育ガイドブック~学校における実践事例集 家庭科の実践事例

分科会2(中学校)の模様(2)

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