Let'sチョイ読み!お金の知恵の活かし方
クレジットカード、カードローンと上手につきあう方法
初心者向け
- ローン・クレジット
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- 手数料
「お金を借りる」ということ
クレジットやローンの活用方法の前に「お金を借りる」ことの意味などについて、少し考えてみましょう。生活するうえでは、いろいろな「もの」(物やサービス)を買う必要があります。「お金を貯めてから買う」というのが基本ですが、「お金を借りて買う」こともできます。もちろん、「お金を借りて買う」と、あとで「お金を返す」必要が生じます。
「返済の約束は守る」、「借りたお金は返す」ということは、お金とつきあううえでの最低限の常識であり、その約束を破ると大きな代償が待っていることを肝に銘じなくてはなりません。返済期限が来ているのにお金を返せないことを「延滞」といい、そのまま返せないでいると、延滞利息等ペナルティ(借りた金利に比べ通常は大幅に高くなります<上限は20%>)を付けられます。最終的には、裁判を通じた強制的な取り立てや、破産の申し立てを受けることもあります。そこまでは行かなくとも、延滞が2~3か月以上続くと、「個人信用情報機関」に延滞情報が登録されます。その場合、今後のクレジットやローンの利用に支障が出るのが通例です(クレジットカードを作れない、カードの利用を止められる、自動車ローンや住宅ローンを組めない、など)。
クレジットカードやカードローンの活用方法
カードには、商品を購入する機能であるクレジット(販売信用)とお金を借りる機能であるローン(消費者金融)の2つの機能があります。これらカードを上手に使いこなすためにも、まずは、それぞれ(クレジットカードやカードローン)のメリットとデメリットについて理解しておきましょう。
(1)クレジットカードによる購入
- メリット
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- 現金を持たずに買い物できる
- 代金は後払いで商品が手に入る(翌月一括払い、2回払いなどであれば、手数料<実質的な利息>はかからない)
- 代金は分割払いが可能である
- 公共料金の支払いや納税に使える
- 利用するごとにポイントが付与される(ポイント特典)
- カードの利用代金明細書を家計管理に活用でき家計簿の代わりにもなる
- デメリット
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- 3回以上の分割払いやリボルビング払いの場合には手数料(実質的な利息)がかかる
- 毎月一定額を支払うリボルビング払いは計画的に支払いやすい反面、カードの利用が増えると支払期間が延びていき、手数料(実質的な利息)の負担も重くなる
- 支払いが滞った場合には延滞料がかかる
- 上手な活用方法
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クレジットカードの利用で陥りやすいのは、ついつい使いすぎてしまうことです。毎月の予算を決めたうえで、クレジットカードを使ったら都度、インターネットで今までの総額を確認し、利用をコントロールすると良いでしょう。予算を超えるけれどもどうしても今すぐ購入したい、という場合には、分割払いで支出を平準化できますが、3回以上の分割払いやリボ払いは、手数料の負担が生じますので、利用しないで済むならそれに越したことはありません。利用する場合にも、返済計画の策定等、支払い総額・期間の長期化に歯止めをかける工夫が必要です。このようなルールさえ守って使えば、現金を下ろす手間がなく、利用した分のポイントが付くなど、便利でお得に利用できます。
(2)カードローン(消費者金融)、クレジットカードによるキャッシング(借入れ)
- メリット
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- いつでも簡単に借入れができる
- 資金の使いみちは自由
- 預金を下ろすのと同じようにATMから借入れができる
- 返済には、ATM、銀行振込、口座振替などが利用できる
- デメリット
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返済が滞ってしまうと、延滞利息が発生するほか、信用情報機関に延滞情報(事故情報)として登録され、以下のような制約が発生する。
- 登録期間中は同じカードで借入れできなくなるだけでなく、新たにカードローンの契約を結べなくなる
- 住宅ローンなどの他の借入れも利用できなくなる
- 弁護士や税理士等、一定の職業に就けないなどの制約もある
- カードローン等の利用上の注意
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カードローンの延滞はなんとしても避けるようにすべきですが、万一、そういう事態になってしまった場合、ヤミ金融を行う業者からの融資勧誘があっても、決して近づいてはいけません。ヤミ金融は、出資法に違反して、超高金利で融資してきます。暴力的・脅迫的な取り立てが行われ、周囲の人にまで被害が及ぶケースが少なくありません。
使いすぎると知らないうちに「多重債務」に!?
「延滞」はしていないものの、ローンの返済を別のローンの借入れで工面し、借金が借金を生んで、膨らんだ借金返済が困難となることを「多重債務」といいます。「多重債務」に陥ると、膨らんだ借金の返済に行き詰まり、「自己破産」という事態になり兼ねません。「私は心配ない」、「少しの金額しか借りていない」など、安心は禁物です。多重債務に陥らないためには、①お金を安易に借りない、②返せる範囲でしか借りない、③借りたお金はなるべく早く返済する、この3点を心掛けてください。
執筆者:伊藤魅和