金融教育に関する実践報告コンクール
第16回金融教育に関する小論文・実践報告コンクール(2019年)
応募状況および特賞・優秀賞・推奨実践事例賞受賞作品の紹介
第16回金融教育に関する小論文・実践報告コンクールでは、「小論文部門」、「実践報告部門」、「研究校部門」の3部門で、金融教育に関する提言、実践事例や実践計画などを募集しました。教員、研究者、教員を目指す学生の方から16編の作品が寄せられ、厳正な審査の結果、特賞1編(実践報告部門)、優秀賞2編(小論文部門2編)、奨励賞4編(小論文部門2編/実践報告部門2編)、推奨実践事例賞1編(研究校部門)の入賞作品が決まりました。
小論文部門では「これから取り組んでみたい金融教育」「これからの時代に求められる金融教育」「金融教育をさらに普及していくための提言」、実践報告部門および研究校部門では「学校で取り組まれた実践報告」「学校で取り組む予定の実践計画」を募集テーマ例として挙げました。
入賞作品のうち、特賞と優秀賞2編(小論文部門2編)、研究校部門の推奨実践事例賞1編の4編を紹介します。
特賞「金融経済を視点とする人口減少時代のまちづくり学習―RESAS(地域経済分析システム)の地域経済循環マップを活用して―」(実践報告部門)は、地域の資金循環に着目し、政府の提供する「地域経済分析システムRESAS」を活用することを通して高校生の意欲的な取り組みを引き出す実践を報告しています。地域経済循環マップというプラットフォームをうまく利用して、自分たちの暮らし、地域に思いをはせることができた点が実践的で素晴らしいとして高い評価を集めました。
優秀賞「『お金』の視点から金融経済教育のこれからを考える」(小論文部門)は、知識が豊富で、広い視野から書かれている。問題提起があり、結論に至る過程が、論文として非常に分かりやすい。金融教育の現状からはじめてキャッシュレスに話題を展開し、英語を含めて教科横断的に取り組んでいると評価されました。
優秀賞「Fintech時代の金融教育―キャッシュレス決済・暗号資産を中心に―」(小論文部門)は、新しい学習指導要領の下での高校の教科書に多く取り上げられることが予想される重要な分野にチャレンジしている。資金決済法などをよく調べて考察していると高く評価されました。
推奨実践事例賞「小学校社会科でどんな金融教育ができるのか」(研究校部門)は、オリジナリティがある。小学校で為替レートを扱っている点も意欲的などと高く評価されました。
今回のコンクールでは、昨年から一昨年にかけて告示され、小学校では来年4月に全面実施される新学習指導要領に明記された「現代的な課題に対応するための資質・能力」や「教科横断的な学習の重視」といった観点が金融教育と一致することに着目した野心的な取り組みを報告した力強い作品が多数寄せられました。特賞、優秀賞、推奨実践事例賞を受賞された皆様の優れた作品が広く取り上げられ、金融教育への機運がより一層高まることを願っています。