わかりやすい社会保障制度
I.社会保障制度
私たちは1人ひとりが自らの責任と努力によって生活を営んでいるのですが、病気やけが、老齢や障害、失業などにより、自分の努力だけでは解決できず、自立した生活を維持できなくなる場合も往々にして生じます。このように個人の責任や努力だけでは対応できないリスクに対して、相互に連帯して支え合い、それでもなお困窮する場合には必要な生活保障を行うのが、社会保障制度の役割です。
社会保障制度は、私たちの生活を守るセーフティネットの機能を持っています。私たちの生活を生涯に渡って支え、基本的な安心を与えています。
社会保障制度は、具体的には「社会保険」、「社会福祉」、「公的扶助」、「保健医療・公衆衛生」を総称したものです。
「社会保険」とは、人々が病気やけが、出産、死亡、老齢、障害、失業など生活の困難をもたらすいろいろな事故に遭遇した場合に一定の給付を行い、人々の生活の安定を図ることを目的とした、強制加入の保険制度です。
「社会福祉」とは、障害者、母子家庭など社会生活を送る上で様々なハンディキャップを負っている人々が、そのハンディキャップを克服して安心して社会生活を営めるよう、公的な支援を行う制度です。
「公的扶助」とは、生活に困窮する人々に対して最低限度の生活を保障し、自立を助けようとする制度です。
「保健医療・公衆衛生」とは、人々が健康に生活できるよう様々な事項についての予防、衛生のための制度です。
ここでは、「社会福祉」、「公的扶助」、そして「社会保険」の中の「医療保険」と「労働保険」について、説明いたします。