結婚にかかる費用
社会人は、日々の仕事に追われがちですが、将来を見据えたマネープランを考えていくことも大切です。
いくつかある人生の節目のひとつ、結婚について、最近のデータをもとに支出の内容や金額、また費用の準備を考えてみましょう。
最近の結婚費用
私たちは、入学、卒業、進学と、人生でさまざまな節目を経験していきますが、多くの場合、就職という節目を境に、勤労者というお金を稼ぐ立場へと変わっていきます。では、勤労世帯にとってはその後どのような人生の節目があり、どれくらいの支出が考えられるでしょうか。
最初に訪れる節目のひとつに結婚があります。結婚年齢が上昇しており、2019年の平均初婚年齢は男性で31.2歳、女性で29.6歳(令和元年人口動態統計)となっています。
こうした結婚年齢の上昇が進む中で、結婚に関する費用の相場はどうなっているのでしょう。
大手ブライダル情報誌の調査によると、挙式、披露宴・ウエディングパーティなどの費用総額は平均360万円を超えています。
その内訳は、以下の表のとおりとなっています。
総額※1 | 362.3 |
---|---|
挙式料 | 36.2 |
料理・飲み物(1人あたり) | 1.9 |
新婦の衣装 | 48.8 |
新郎の衣装 | 17.0 |
ブライダルエステ | 9.0 |
ギフト(1人あたり)※2 | 0.6 |
ブーケ(1個あたり) | 3.1 |
会場装花 | 17.9 |
ウェルカムアイテム | 1.6 |
スナップ写真費用 | 21.8 |
ビデオ撮影費用 | 20.3 |
- 項目別平均額は実施した人の平均額なので、各項目の平均金額の合計は総額と異なっている。
- 各サンプルごとに、ギフト総額をギフト用意数で割って算出。
- (出所)
- ゼクシィ結婚トレンド調査2020(リクルート発行)調べ
ただしこれはあくまでも挙式などにかかる費用で、結婚全般にかかる費用はさらに増え、総額では460万円を超える大変な高額となっています。
- (出所)
- ゼクシィ結婚トレンド調査2020(リクルート発行)調べ
さまざまなことにお金がかかりますが、中でも近年はブライダルエステの利用が増えているようで、費用としては平均9万円となっています。
結婚費用を抑えるには、こうした費用を見直したり写真撮影やビデオ撮影を友人などに依頼するなどし、式そのものやお招きするお客さまに影響が及ばないところから節約を考えることがよいかもしれません。
また、披露宴に招くお客さまの人数も費用に直結する要素です。できるだけ費用を抑えたいと考えるならば、招く方の基準など二人が納得のいくようにじっくり相談しながら決める努力が必要となるでしょう。同時に式や披露宴の場所やスタイルも十分に考慮しておきましょう。
このほか新居を構える場合は、家財道具などにも費用がかかるもの。家電製品だけでなく、雑貨などを買い揃えていくと思いのほか多額になりますから、注意しましょう。しっかり買い揃えたいと思っているのであれば、余裕を持って資金を準備しておきたいものです。
結婚費用の捻出
非常にお金のかかる結婚。その費用はどうやって賄えば良いでしょうか。もちろんご祝儀をいただくことでその費用の一部を賄えますし、親からの援助などを受ける場合も少なくありません。ご祝儀の額の分布はグラフ2のとおりとなっています。最も多いご祝儀は200~250万円の金額帯です。
- (出所)
- ゼクシィ結婚トレンド調査2020(リクルート発行)調べ
親・親族からの援助はグラフ3のとおりとなっています。その平均額は約192.4万円となっています。
- (出所)
- ゼクシィ結婚トレンド調査2020(リクルート発行)調べ
では、二人でどれくらいの準備をしておけばよいのでしょうか。
同じ情報誌の調査(首都圏版)では結婚のために貯金をしている人は9割近くおり、金額は、1位が「100万~200万円」(22.6%)、2位が「200万~300万円」(21.2%)、3位が「300万~400万円」(16.9%)でした。
結婚という目標を目の前におき、計画的に貯金をすることが大切だと考えていることがよくわかります。
貯金の方法としては、「自分の収入から毎月定額を積み立てる」、「毎月余ったお金をすべて貯金する」、「残業分を貯金に回す」などさまざまですが、大切なことはお互い無理のない形で、いかに貯めるか。二人で目標を達成するために、こうした機会に十分話し合っておくことが、結婚後の家計管理や、これからの生活設計にも役立つ第一歩となるのではないでしょうか。
本コンテンツは、金融広報中央委員会発行の広報誌「くらし塾 きんゆう塾」Vol.21 2012年夏号(2012年(平成24年)7月発刊)から、統計データを更新の上、転載しています。
広報誌「くらし塾 きんゆう塾」目次