金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル in the Galaxy
6F 大人の宇宙おかね教室 知るぽると金融教育セミナー
リタイアメントプランニングの重要性について
講師:(NPO 法人)日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
理事 有田 敬三 氏
今日は、次の4つのポイントを中心にお話を進めてまいります。1つは、「生活設計(ライフプラン)をたてることの大切さ」です。現在から将来を見据えて、どんな生活ができるのか、どんなふうに自分の生活をやっていきたいのか考えることです。2つ目は、「セカンドライフに必要なお金の準備」。3点目は、セカンドライフの経済的な側面は年金に頼りたいという方が多く、公的年金の仕組みをよく理解することです。4点目には、「上手なお金の運用方法」について考えてみたいと思います。
まず、リタイアメントプランを作るにあたっては、将来わが家に待ち受けているイベントやそれに伴う支出を予測し、資金計画を立てることです。それには、お金の流れを時系列的に一覧表にしたキャッシュフロー表を作るとよく見えてきます。また住宅ローンや保険の見直しもしておきたいところです。
60歳代の夫婦がゆとりある老後の生活資金として挙げている金額は、生命保険文化センターの調査によると、1カ月約37.9万円です。公的年金モデル支給額は23.3万円ですので、差額は14.6万円。この差額を退職金や貯蓄で補うことになります。ただ、これは平均の数字ですので一つのご参考にしていただければよいかと思います。
セカンドライフの大事な収入源は公的年金です。サラリーマンとして働いていた方は、国民年金(基礎年金)に厚生年金が上乗せされます。公務員や教員は国民年金に共済年金が上乗せされ、自営業者などは国民年金に国民年金基金を任意で上乗せすることができます。こうした公的年金の仕組みと同時に自営業からサラリーマンへ、会社員から専業主婦にといった変更があった場合は、年金の記録漏れ等に十分気をつけるようにしたいものです。
お金の運用は非常に大切なことです。上手に運用するためには、バランス感覚が欠かせません。理想的な運用方法としておすすめしているのは、「増やす資産」「守る資産」「活かす資産」の3つに分けた運用です。「増やす」は少し積極的に、効率的に増やすことを考え、「守る」はインフレや為替変動による目減りを防ぎます。「活かす」では不動産収入など保有資産を活用して公的年金のほかに定期的な収入を得ることで、ポイントは、それらをどのくらいの配分にするかです。人それぞれ、資産背景などの状況に応じて違ったものになります。現役時代に自分の財産をしっかり形成して、豊かなセカンドライフを送っていただきたいと願っています。