家計の金融資産に関する世論調査
家計の金融資産に関する世論調査[単身世帯を含む全世帯](平成16~18年)
家計の金融資産に関する世論調査 平成18年調査結果
Ⅳ 将来の生活
1. 老後の生活への心配
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老後の生活について心配である(「非常に心配である」と「多少心配である」の合計)と答えた世帯は、8割強となった。
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年令60歳未満の世帯では「心配である」と回答した世帯が9割弱となっている。
- 「心配である」としている世帯では、その理由について「十分な貯蓄が無いから」、「年金や保険が十分でないから」が、それぞれ約7割と高い割合となっている。
2. 年金に対する考え方
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年金と生活資金については、「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と回答した世帯は約5割、「ゆとりはないが、日常生活費程度はまかなえる」は4割強、「年金でさほど不自由なく暮らせる」は1割弱とほぼ前年並みの割合となった。年令別にみると「日常生活費程度もまかなうのが難しい」が60歳未満の世帯では6割弱となったが、60歳以上の世帯では約4割となっている。
- 「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と回答した理由について、60歳以上と60歳未満でみると、「支給される年金の切り下げ」とした回答は両方で割合が高いものの、60歳以上では、「医療、介護に関する個人負担の増加」を理由とする回答の割合が高く、60歳未満では、「年金支給年令の引き上げ」を理由とする回答の割合が高くなっている。
3. 将来の生活設計に関する考え方
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将来の生活設計に関する考え方については、「生活設計を立てている」と回答した世帯は4割弱と前年に比べ増加したが、「現在立てていないが、今後立てるつもり」と回答した世帯は4割強とわずかに減少した。一方、「現在立てていないし、今後も立てるつもりはない」と回答した世帯は約2割と、ほぼ前年並みの割合となった。
- 年令別に見ると、「生活設計を立てている」と回答した世帯は60歳代をピークに年令が高くなるにつれ増加する一方、「現在立てていないし、今後も立てるつもりはない」と回答した世帯は、60歳代以降で増加している。
【BOX】平均値と中央値
■金融資産保有額の平均値が1,073万円と聞くと、「自分はそんなに多くの貯蓄をもっていない」と多くの世帯が実感とかけ離れた印象をもつ。平均値が、少数の高額資産保有世帯によって大きく引き上げられてしまっているためである。例えば、10世帯のうち9世帯が100万円を持っていて、残りの1世帯が1億円を持っている場合には、平均値は1,090万円になってしまう。当然、調査を受けた10世帯のうち9世帯は、調査結果が1,090万円と聞けば、その値に驚くだろう。今回調査では、保有世帯(金額無回答を除く)が2,325世帯、非保有世帯(保有額=0万円とみなす)が795世帯であったが、これらのうち約7割が平均値よりも保有額が少なくなっている。
■上記のような平均値の持つ欠点を補うために、ここでは平均値と並んで中央値を用いて一般的な家計像を捉えることとする。ここで言う中央値とは、調査対象世帯を保有額の少ない順(あるいは多い順)に並べたとき、中位(真ん中)に位置する世帯の金融資産保有額のことである。例えば自分の貯蓄額が中央値(今回は420万円)である世帯からみると、保有世帯のちょうど半分の世帯が自分の貯蓄額よりも多くの貯蓄を保有し、ちょうど半分の世帯が自分の貯蓄額よりも少ない貯蓄を保有していることになる。従って、中央値は世帯全体の実感により近い数字になると考えられる。