金融商品なんでも百科
(平成30年4月)
投資信託
投資信託とは
投資信託(一般的には「投信」、「ファンド」と呼ばれます)は、販売会社(証券会社や銀行など)が多くの投資家から資金を集め、これを1つにまとめて大きな資金(信託財産)にして専門家(投資信託委託会社)が運用する仕組みの金融商品です。
集まった資金は、有価証券(公社債や株式など)や不動産などに分散投資され、その成果(運用損益)は投資額の割合に応じて投資家に還元されます。ただし、運用成果がマイナスになったとしても、販売会社や投資信託委託会社が元本保証するものではありません。
投資信託には次のようなメリットが期待されます。
共同投資によるスケール・メリット
まとまった資金にすることで個人では投資できない金融商品やデリバティブ(金融派生商品)などの高額な投資対象にも投資が可能になると共に、複数の多様な資産に分散投資が可能になります。
分散投資によるリスク軽減
分散投資にはリスクを軽減させる効果が見込めます。分散投資には、資産分散、業種分散、銘柄分散、国際分散、通貨分散などさまざまな方法があります。
専門家による運用・管理
資産の運用・管理を専門家に託すことにより、個人では容易にできない幅広い情報収集と分析・投資が活用できます。
投資信託の販売会社
投資信託は、証券会社や銀行、生保、投資信託委託会社など多くの金融機関で販売しています。なお、実際の取扱い商品は販売会社によって異なります。詳しくは、販売会社や投資信託委託会社でご確認ください。
投資信託の運営の仕組み
わが国の投資信託は、受益者(投資家)、委託者(投資信託委託会社)、受託者(信託銀行または信託業務を行う銀行)の三者からなる契約型が主流です。
契約型の投資信託の仕組みは、
- 販売会社が、投資信託の販売や分配金・償還金の支払いなどの窓口となる
- 投資信託委託会社が、販売窓口を通じて多くの投資家から集められた資金の運用の指図を行う
- 信託銀行が、運用されている資産の保管・管理を担当する
というかたちになっています。各分野の専門機関がそれぞれの役割を担うことにより、厳正で効率的な運営が図られています。
投資信託(契約型)運営の仕組み(概要)
受益者
投資家のことです。投資信託を購入する(受益証券を取得する)ことにより収益を受取る権利を持つため、こう呼ばれます。受益証券とは、投資信託の利益を受ける権利(受益権)をかたちに表したもので、金融商品取引法上の有価証券です。平成19年1月より「投資信託振替制度」が開始され、原則受益証券は発行されませんが、受益者の権利(受益権)はコンピュータシステム上の帳簿(振替口座簿)に記録されることで表章されます。
委託者
運用を担当する投資信託委託会社のことです。投資家から募った資金をまとめた「信託財産」の運用を受託者に指図するなど、受益者である投資家の利益のために忠実に業務を遂行するよう義務づけられています。
受託者
信託財産の保管・管理を担当する信託銀行(または信託業務を行う銀行)のことです。委託者からの運用指図に基づき、証券・金融市場で売買などを行います。なお、信託財産は受託者である信託銀行の固有の財産からは明確に区分して管理(分別管理)されており、万が一、信託銀行が経営破綻しても、その債権者が信託財産に対して強制執行や仮差押さえなどを行えない仕組みになっています。