金融商品なんでも百科
(平成30年4月)
各種金融機関の紹介
普通銀行
普通銀行(あるいは単に銀行)は、その規模や営業基盤、設立経緯によって分類され、主に都市銀行、地方銀行、第二地方銀行協会加盟行に区分されます。都市銀行は大都市に営業基盤を置き、全国に多数の店舗を有する全国的規模の銀行です。地方銀行や第二地方銀行協会加盟行は、全国の大・中都市に本店を有し、本店所在地の都道府県内を主たる営業基盤とする銀行です。このほかに、インターネットを主な営業基盤とする銀行や、外国銀行の在日支店もあります。
信用金庫
信用金庫は、昭和26年に施行された信用金庫法に基づく、中小企業者や個人を対象とした会員制度による協同組織の金融機関です。信用金庫の業務内容は、預金・貸出業務が中心であるという点では普通銀行と何ら変わりません。ただ、貸出業務が原則として会員に対するものに限られているほか、地域金融機関として事業区域が制限されている点などが銀行と異なっています。
信用組合
信用組合は、昭和24年の中小企業等協同組合法に基づく中小企業者、小規模事業者、住民、勤労者のための協同組織金融機関です。相互扶助の理念のもとに、組合員や地元の発展に貢献することを一番の目的とし、比較的小規模で、地域・業域・職域というさまざまなコミュニティを基盤としているのが特徴です。業務は原則として組合員に対するものに限定されています。
漁業協同組合、信用漁業協同組合連合会
貯金や貸出など信用事業を行う全国の漁業協同組合(愛称:JF)と信用漁業協同組合連合会(信漁連:JF系統信用事業の都道府県段階の連合組織)は、組合員に総合事業サービスを提供するJF系統組織の一員として、漁業地域を金融面から支える役割を担っています。
JF、信漁連、農林中央金庫で構成するグループをJFマリンバンクと呼びます。
信託銀行
信託銀行とは、「銀行業務」のほかに「信託業務」を行っている銀行を指します。具体的には、普通の銀行では、預金や貸付などの銀行業務を行っているのに対し、信託銀行では、銀行業務に加えて信託業務を行っており、それに加えて併営業務を行っています。「信託業務」は、個人や企業などの法人が持つ財産を信託により引き受け、その財産を管理・運用することを指します。
また、信託銀行が行う「併営業務」には、遺言の保管や遺言執行業務などの相続関連業務、企業の株主の名簿を管理する業務などの証券代行業務、不動産の売買の仲介業務などがあります。これらの業務は信託銀行等の信託兼営金融機関にのみ取り扱うことが認められています。
農林中央金庫(農林中金)
農林中金は、農林水産業者の共同組織を基盤とする全国金融機関として、農業協同組合(JA)、漁業協同組合(JF)、森林組合(JForest)などの会員のために金融サービスを提供しています。
農林中金は、JA、JF、JForestなどからの出費や、JAバンク、JFマリンバンクの安定的な資金調達基盤を背景に、会員や農林水産業者、農林水産業に関連する企業などへの貸出を行うとともに、国内外で多様な投融資を行い、資金の効率的な運用と会員への安定的な収益還元に努めています。
商工組合中央金庫(商工中金)
商工中金は、昭和11年に政府が中小企業の組合とともに共同出資を行い、設立した金融機関です。平成20年10月からは、「株式会社 商工組合中央金庫法」に基づき株式会社へ移行しました。中小企業に対する安定的な事業資金の提供や預金の受入れを主要業務として、公的金融機関の役割を担っています。
投資信託委託会社
投資信託委託会社は金融商品取引法に基づき、投資運用業の登録を受けた金融商品取引業者です。投資家から集められた資金を1つにまとめた信託財産を運用指図するという、投資信託運営の中心的役割を担っています。そのほか、目論見書・運用報告書の作成や信託財産の計算などの業務も行っています。
生命保険会社
生命保険会社は、不測のリスク(死亡や病気、ケガ、介護など)に備えようとする多数の人と保険契約を結んで、これらの人々からあらかじめ公平に保険料の払込みを受け、所定の保険事故が発生した場合に契約された保険金を支払います。生命保険会社では、顧客のニーズに応じて、主契約に災害や病気に対する特約をつけたり、新種の保険を開発したり工夫をこらしています。
損害保険会社
国内損害保険会社は平成30年4月2日現在、30社あり、このほか外国損害保険会社21社が営業を行っています。また、平成29年3月31日現在、全国に196,043店の損害保険代理店があり、損害保険会社との間で締結した損害保険代理店委託契約に基づき、損害保険会社に代わって保険契約を締結する業務を行っています。
農業協同組合
JA共済の窓口は、全国の各地域の農業協同組合(愛称:JA)です。平成29年10月1日現在で全国に652のJAがあり、農家をはじめとした組合員だけではなく、所定の要件を満たせば組合員以外の地域住民の方々も利用することができます。JAでは、生命共済・建物更生共済・自動車共済などを提供する共済事業のほか、貯金、貸出などの金融取引を行う信用事業なども展開しています。
JAと信用農業協同組合連合会(信農連:JA系統信用事業の都道府県段階の連合組織)、農林中金で構成するグループをJAバンクと呼びます。
全国労働者共済生活協同組合連合会(全労済)
全労済は、消費生活協同組合法(生協法)にもとづいて設立された、共済事業を行う生活協同組合の連合会組織で、各都道府県に設立された地域の勤労者を主体とする47共済生協、職域ごとに設立された8共済生協、3生協連合会の58会員により構成されています。
出資金を払い込み、全労済の会員である生協の組合員になれば、各種共済を利用できます。なお、全国に約200か所の店舗などがあり、保障に関するお問い合わせや手続き等が行えます。
日本コープ共済生活協同組合連合会(コープ共済連)
日本コープ共済生活協同組合連合会(コープ共済連)は、地域の生協(コープ)を通じて共済を提供しており、共済の利用は地域の生協の宅配や店舗で手続きすることができます。平成29年3月20日現在、全国149の生協(連合会)でCO・OP共済を取扱っています。また、組合員がくらしの保障やお金について学ぶ活動(ライフプランニング活動)も行っています。
なお、生協を利用する際は出資金を払い、組合員になることで、商品とCO・OP共済どちらも利用することができます。
労働金庫
労働金庫(ろうきん)は、昭和28年に施行の労働金庫法を根拠法とした、勤労者の生活の安定と福祉の向上を目的とした協同組織の福祉金融機関です。営利を目的とはせず、公平かつ民主的に運営され、労働組合や生活協同組合をはじめ全国の勤労者に広く利用されています。全国に47あった労働金庫は、平成10年から15年にかけて地域統合を進め、13の金庫・633ヶ店(平成29年3月末現在)で全国をネットワークするに至っています。
日本政策金融公庫(日本公庫)
日本公庫は、100%政府出資の政策金融機関です。銀行などの一般の金融機関を補完し、国民生活の向上に寄与することを目的としています。
教育ローンのほかに中小企業者や農林漁業者向けの事業資金や新規開業資金など、国の政策に則った融資制度を扱っています。
全国大学生協共済生活協同組合連合会(大学生協共済連)
大学生協共済連は、全国にある大学生協を通じて共済を提供しており、大学生協の加入者は、大学生協の店舗やHPで利用手続きをすることができます。学生総合共済は、大学生協共済連を元受団体として、1981年にスタートし、現在210大学、約72.2万人に利用されています。