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金融商品なんでも百科

(平成27・28年用)

金融機関選びのポイント

格付け

格付けによる評価

格付けは、格付会社が金融機関を含めた社債などの発行会社について、債務の支払能力などを評価するものです。債務の支払能力は、債券の発行体が経営破綻するかどうかという信用リスクそのものではありません。ただ、格付けが金融機関の健全性を判断する1つの材料として役立つことは確かです。格付けでは、健全性について、次に示す例のようにAAA(トリプル・エー)、BB(ダブル・ビー)、C(シングル・シー)などの記号で判定し、能力に応じてランク付けをしています。

格付けのメリットは、決算書など財務資料を直接読みこなさなくとも、比較的容易に金融機関の健全性が判別できることです。複数の金融機関の格付けを集めたランキング表を見れば、金融機関同士の健全性を比較することもできます。

ある格付会社の例

ある格付機関の格付け表示の例

(注1)格付会社によって格付記号の定義は多少異なります。
(注2)+、−の添字は、同一区分の中での程度を細分化したもの。
(例)A+(シングル・エー・プラス:シングル・エー格付を3つに細分化したうちでの最上格)
※一般にBBB以上を投資適格債券、BB以下を投機的債券と呼んでいます。

格付けを利用する方法

格付けを利用するには、各格付会社が発行した冊子を各地の証券取引所などで閲覧するか、格付会社のホームページへアクセスする方法があります(下表参照)。インターネットを使えば、最新の格付情報をリアルタイムで参照できます。

格付けを知る主なホームページ

会社名 ホームページアドレス
日本格付研究所 https://www.jcr.co.jp/
ムーディーズ・ジャパン https://www.moodys.com/Pages/default_ja.aspx
S&P グローバル・レーティング・ジャパン https://www.spglobal.com/ratings/jp/
格付投資情報センター https://www.r-i.co.jp/index.html
フィッチ・レーティングス https://www.fitchratings.com/ja/region/japan

 

格付けを利用するときの留意点

格付けは、非常に使い勝手のよい指標ですが、金融機関の健全性を知るうえで万能なものではない点には留意しておく必要があります。

その理由の1つは、格付けの対象がすべての金融機関を対象としていないことです。基本的に社債などの発行会社のみが対象となっていますので、地方銀行、証券会社、信用金庫、損害保険会社などの金融機関には格付け対象となっていない所が多くあります。生命保険会社については、格付投資情報センターが社債格付けとは別に保険金支払能力に関する格付けを行っています。

もう1つの理由は、格付けにどこまで頼ってよいかという点です。格付けの評価は、格付会社として1つの意見を述べているものであって、絶対的な判定を示したものではないからです。格付けが低くなったからといって、すぐに経営破綻になるわけではありませんし、反対に、格付けで「支払能力に問題ない」と評価されていても、その企業が倒産するケースが皆無とはいいきれないためです。また、格付会社が違えば評価が違うこともあるので、複数の格付会社の格付けを見ておく必要があります。さらに、格付けの評価は、時々刻々と得られる最新の情報で変化していきますから、現在の格付けが高い評価であるからといって、先行きもずっと安心してよいともいいきれません。

この意味で、格付けはあくまで金融機関の経営内容を確かめようとするときの1つの材料だと考えるべきでしょう。

プラス マイナス
  • 健全性のレベルがわかりやすい
  • 複数の金融機関の健全性を比較しやすい
  • インターネットを使えば簡単に利用できる
  • すべての金融機関が対象ではない
  • 格付けの評価は、絶対的なものではない
  • 格付会社によって格付けの差がある

金融機関選びのポイントの目次

著名人・有識者が語る一覧をみる

  • 日本文学研究者・早稲田大学特命教授 ロバート キャンベルさん
  • 歌手・タレント・女優 森公美子さん
  • 映画字幕翻訳者 戸田奈津子さん
  
  • Let's チョイ読み!

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