金融教育公開授業
2021年度 金融教育公開授業
千葉県金融広報委員会
千葉県立津田沼高等学校
千葉の実施報告
「金融教育公開授業 in 千葉(千葉県立津田沼高等学校)」(10月8日開催)
千葉県立津田沼高等学校は昭和53年4月に創立し、全日制普通科25クラスです。目指す学校像は「チーム津田沼で教育の質の向上」です。2年次に、創立当初から設置される音楽コースと文理コースに分かれます。3年次からは文理コースは文系コース、理系コースに分かれ、一人ひとりを大切にし、勉強にも部活動にも元気に取り組む活気ある学校です。
10月8日(金)に金融教育公開授業を開催し、1年生を対象にした公開授業を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
「現代社会」の授業では、広い視野に立って、現代の社会と人間についての理解を深め、現代社会の基本的な問題について主体的に考察し公正に判断するとともに、良識ある公民として必要な能力と態度を育てることを到達目標としています。
授業者は、生徒が毎回限られた時間で教科書や資料を適切に読み取り、他者と学習内容を共有しながら、一人ひとり「問い」を持ち、この「問い」を解決する学習サイクルを大切にしています。
本時では、「レジャーランドの経営を立て直そう」と題して、第1学期に学習した株式会社や、前時に学んだ直接金融、間接金融のしくみ等の知識を活用しつつレジャーランドの取締役として、具体的な経営改善策を提案しながら、立て直すことを目標に授業を展開しました。
授業の前半では、前回まで学んだ株式会社、株主の権利と責任、所有と経営の分離、株主総会について確認しながら、レジャーランドの企業情報をもとに、個人、グループワークで、経営上の課題、改善すべき点を分析しました。
後半は株主総会で発表するために、生徒が取締役として取締役会で分析した内容をもとに、レジャーランドの経営改善策を、他の生徒を株主と想定し、発表しました。
授業のまとめとして、生徒は「津田沼GP」(津田沼グラデュエーションポリシー)を活用し、本時の授業の学びから自己評価を10点満点で振り返りを行いました。
参考【津田沼GP】
1) 傾聴力 2) 想像力 3) 思考・判断力 4) 情報収集力
5) 分析力 6) 発信力 7) 企画・実践力 8) 創造力
生徒は、今回学習したようなレジャーランドによく出かけます。あくまでも客としてレジャーランドに出かけるので、経営者の視点から分析し、株主総会で発表するのは、難しいと事後レポートで記述していました。例えば、株式投資によって得られた資金で、株主を納得させながら経営が改善するよう導く提案の難しさについてです。
以下のような記述もありました。第一に、企業は利潤追求だけでなく、CSRやSDGsなどを通じて社会に目を向け、社会にあった製品やサービスを提案しなければならない点についてです。生徒は企業が利潤追求を目的とすることを言葉として暗記しているだけで、企業がCSRやSDGsを通して、社会とどのような関係で生産やサービスの供給を実践しているのかについて、今回の学習で習得したようです。第二に、所有と経営の分離についてです。企業の利潤追求と同様に、実はよく理解していなかったと記述しています。株主総会を通じて、企業側と株主で合意があって初めて、大きな事業計画が成立するのだと記述する生徒が数人いました。第三に、経営改善するためには、企業はどうなる必要があるのか、という点についてです。まず、利用者の声を聞き改善に努めること、どこの世代をターゲットにすれば、より利潤を得られることができるのか、他社とは違うポイントを作り、大々的に売る必要がある点などを挙げていました。
最後に、津田沼GPについてです。生徒は自己評価で、1)傾聴力、2)想像力、4)情報収集力については、授業者の予想通り、高い評価をしていました。一方、授業者が日頃から本校生徒に対して、課題があると感じる、6)発信力、8)創造力について、今後のさまざまな学びの過程で、経験を積んで、改善、克服していってほしいと願っています。
2.プログラム
- 11:35~
- 受付
- 11:45~12:35
- 公開授業
「レジャーランドの経営を立て直そう」(1年生 公民科「現代社会」)