金融教育公開授業
平成22年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
滋賀県金融広報委員会
滋賀大学教育学部附属中学校
金融広報中央委員会
滋賀の実施報告
「金融教育公開授業 in 滋賀大学教育学部附属中学校」(12月2日開催)
滋賀大学教育学部附属中学校は、滋賀県の県都・大津市の中心部に位置し、膳所藩の城下町の名残をわずかに残す住宅街の中にあり、同じ校地に附属小学校、附属幼稚園も付設されています。各学年とも3学級・定員120名で、附属小学校からの連絡進学者が8~9割を占めています。
平成22年度から2年間、滋賀県金融広報委員会より金融教育研究校の委嘱を受け、3年生の社会科の授業を中心に、お金に対する関心を高め、お金の付き合い方についての学習を意欲的に追究しています。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
授業は、現在使用されているお金の種類を考えるところからスタートしました。硬貨6種類、紙幣4種類であることが確認されました。最近何にお金を使ったかとの問いかけに、生徒達からは、お菓子、雑誌、消しゴム、ジュース、妹へのバースディプレゼント、募金、映画、電車の回数券など、様々な声があがりました。それらを、「欲しいもの」は赤、「必要なもの」は青に色分けし、欲しいものはどのようにして手に入れたかと聞かれると、「現金で買った」、「コンビニのポイントで交換した」、「ウェブマネーを使った」との発表がありました。
ここで登場した財布からは、クレジットカード、ポイントカード、ガソリンスタンドの洗車用プリペイドカードなどが出てきました。そして、現金以外のお金の支払い手段として、「プリペイドカード」、「デビットカード」、「電子マネー」、「クレジットカード」などがあることと、それぞれの支払方法の特徴が説明されました。
ここから、4人1グループになり、「現金」、「プリペイドカード」、「デビットカード」、「電子マネー」の良い点と注意点について考えました。「現金」はどこでも使える、何にでも使える、どれだけ払ったかわかるから使いすぎないなどが良い点で、かさばるという難点があること、「プリペイドカード」は、コンパクトであることや得をすることがある一方で、使い方が限定されている、落としたら返ってこない、発行している会社が倒産したら困ること、「デビットカード」は、最悪失くしたとしても記録が残る、使われないようにブロックすることもできるが、悪用される可能性もあること、「電子マネー」は、支払いが早く済む、お金を持ち歩かなくていいが、調子に乗って使ってしまう、入金する必要がある、入金できる金額に制限があるなど、様々な意見が発表されました。
次に、その4種類の支払手段を各グループでランキングしようということになり、ダイヤモンドランキング形式で、画用紙に図示したものを黒板に貼って結果を発表しました。10グループのランキングが全部同じになることはなく、4パターンに分かれました。このことから、お金の使い方に対する考え方はグループによってそれぞれであること、またグループの中でも様々な意見が出たことから、お金の使い方、考え方は人によって様々であることがよくわかりました。まとめとして、「様々な手段があることを知り、どの手段を選択するかを各自が十分考えることが大切である」と伝えられました。
2.講演会
3年B組の公開授業の後、金融広報アドバイザーの栗本大介氏から「知っておきたい!お金の話」と題する講演が行われました。同校の卒業生でもある栗本氏は、お金の話のプロとしてだけでなく、社会経験豊富な先輩の一人として、「お金に振り回されてはいけない」、「自分がお金をコントロールできなければならない。なぜなら、お金に苦労している人は、お金と向き合っていない、人とコミュニケーションがとれていない人が多いからだ」と熱く語られました。
最初に「お金って何?」と問いかけ、「生きていくために必要なもの」、「欲しいものを得るためや好きなことをやるために要るものだから、お金のことは真剣に考えなければならない」と話されました。また、「一番いけないのは、興味があることなのに興味がないふりをすること。隠れて、ばれないように何かしようとすると、良くないこと(トラブルや犯罪)に発展することもある」、と説明されました。
「今日、お金の話を聞いたということを忘れず、お金のことを考える習慣をつけてほしい。お金は手段である。決して逃げずに、決して溺れずに、バランスよく付き合っていってほしい」と温かい口調で締めくくられました。
3.プログラム
- 9:45~10:30
- 公開授業「くらしと経済~家計・お金の付き合い方~」
授業者:滋賀大学教育学部附属中学校教諭 上田真也 - 10:45~10:50
- 開会挨拶 滋賀県金融広報委員会事務局長
- 10:50~11:50
- 講演「知っておきたい!お金の話」
講師:栗本大介氏 - 11:50~12:00
- 閉会挨拶 滋賀大学教育学部附属中学校副校長